ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

株デビュー1カ月でリーマン・ショックに見舞われた、きびなごさん。以降は、株価下落が逆にチャンスに思える高配当株投資に専念し、連続増配株にこだわって2000万円超儲けている。今は、すかいらーくや興銀リースを狙っている。

出店余地など5基準で買った薬王堂で爆利

ウォーレン・バフェットや竹田和平氏並みの長期投資家を目指している、きびなごさん(30代・会社員)。株式投資を始めたのは、なんと、あのリーマン・ショックの1カ月前というから不運極まりない。
「2008年8月に結婚したことがきっかけで、妻に勧められて株式投資を始めました。最初に買ったのはベトナム株。日本株もいくつか買ったんですが、翌月にはリーマン・ショックの直撃を受けてしまいました。2009年3月に日経平均株価が終値ベースで平成以降の最安値を更新した日、どこまで下がるかわからずに怖くなって全株式を売却するハメに。当初の投資資金50万円は消えてなくなりました」

株デビューからおよそ半年で投資資金のほぼ全額を失う。
「この強烈な体験もあって、2010年1月からは配当金に目的を絞った高配当・優待株投資に方針転換しました。リーマン・ショック時の失敗体験から、もう株価変動を気にするのはこりごりと思ったからです。連続増配を続ける好業績企業など、配当金が安定した銘柄なら、全体相場が悪化して株価が下落しても、もらえる配当金は変わりません。かえって株価が下落したときは安値で高配当株を仕込める大チャンスだと発想を切り替えれば、暴落を恐怖と感じることもありませんし……」

こうして始まった高配当株投資は4年後のアベノミクス相場で花開くことになり、投年間の配当金総額も160万円を超えるまでに。そんなきびなごさんの保有銘柄は、コイン駐車場経営のパラカやKDDI、訪問介護のセントケアHDなど「連続増配かつ優待株」という"縛り"で選ばれた銘柄がほとんど。なかにはビル管理の日本管財や自動車用補修・整備部品のSPKなど、資資金は2000万円超、利益は1000万円を優に超え、7数十万円単位の含み益がある銘柄も多数保有している。
「今年、最も大きな利益確定となったのは、2014年6月に390円(株式分割修正後の株価)で300株買って、今年3月に株価6・7倍超の2636円で200株を利益確定した東北を地盤にドラッグストアを展開する薬王堂です。小売りや飲食関連企業ではいつも、①既存店売上高が前年比プラスで推移しているか、②出店余地が十分にあり、店舗数が順調に伸びているか、③業績が堅調なのにPERが1ケタ台と割安か、④東証2部銘柄で1部昇格による株高に期待できるか、⑤優待がない場合は優待新設に期待できるか、という5つの観点で株を選ぶようにしていますが。薬王堂はこの5つの条件をすべて満たす株でした」

同じくカツ丼チェーン店の『かつ家』を運営するアークランドサービスHDも2012年3月に、株価400円台と非常に安く購入。2015年7月に3150円という高値水準で売り抜けるなど、有望銘柄をいち早く見抜く力はピカイチのようだ。「銘柄を選ぶときは配当金の原資となる企業の利益が安定しているかを、1期でなく数期の業績推移でチェックしています。景気敏感株といわれる不動産や素材、製造業の株はPERが10倍以下にならないと買わないなど、投資するセクターごとに銘柄選別基準を細かく設けています」

さらに「配当と優待を合わせた利回り3%以上」は絶対条件。さらに自己資本比率50%以上、現預金が有利子負債よりも多い、という基準で財務の安定度を確認している。

そして最後に必ずチェックするのは「リーマン・ショックのときの業績」。株デビューから1カ月後に直撃されたこともあり、「リーマン・ショック並みの不景気に耐えられるか」は、きびなごさんにとって末永く長期投資できる銘柄探しの必須条件なのだ。

トランプ相場で沸いた今年前半は、薬王堂以外にも、三機サービスやアルプス物流など株高で配当・優待利回りが低下した銘柄の一部を利益確定。まさに長期投資の収穫期を満喫している。とはいえ、東証1部昇格狙いで買ったオカダアイヨンは、2016年3月に1部指定となったものの、株価は下落した。
「昇格した時期がチャイナ・ショックの真っただ中だったこともあり、主力の解体用建機の中国向け販売の落ち込みが懸念され、買値より下落しました。やはり株価は業績に連動するもの。昇格候補に投資するときも、業績の見極めが大切だと痛感しました」

これから買いたい株は、優待食事券の使いやすさと配当利回りの高さが魅力のすかいらーくやクリエイト・レストランツHD。
「連続増配かつ優待銘柄で、リース業界では配当利回りトップの興銀リース、1株以上の端株(単元未満株)で『キッザニア』の割引券がもらえるジャパンベストレスキューシステムも買いたいですね」