ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

2016年5月~2017年5月 新設優待全紹介!発表後の儲かる買いワザ付き

株主優待フィーバーはとどまるところを知らない。個人投資家から絶大な支持を集めていることから、優待制度を新設する企業が続出している。そこで、新たな顔ぶれをこの特集で一挙に披露しよう!

昨年度に優待を新設した企業は100社!

テレビでも盛んに取り上げられるようになり、どんどんファンが増えている株主優待。こうした状況を受けて、優待制度を新設する企業が相次いでいる。株主優待情報誌の元祖『知って得する株主優待』を発行している野村インベスター・リレーションズの福島英貴さんは、次のように語る。
「2016年度に株主優待制度を新設したのはちょうど100社でした。全上場企業数に対する優待実施銘柄数の割合についても、1993年度は10・8%にとどまっていましたが、右肩上がりで拡大傾向が続いており、今年は34・5%に達しています」

リーマン・ショックが発生した2008年も、実施銘柄数とそれらが占める割合は増加傾向を保った。もっとも、さすがにこの年は優待を廃止する企業も続出したそうだ。
「本業が低迷すると、優待の原資も確保できませんから。ただ、2009年以降も廃止するケースは見られたものの、経営統合に伴って優待が一本化されるというパターンが多くなっています」(福島さん)

ならば、よほどの不景気に見舞われない限り、優待は今後も着実に増えていきそうだ。

市場の昇格を念頭に、新設を考える企業も!

では、セクター別にはどういった傾向が見られるのか。福島さんはこう答える。
「セクター全体に対して優待実施企業が占める割合は食品が82%、小売業が77%で突出しています。やはり、自社製品・サービスを優待として提供しやすいからでしょう」

また、サービス業は割合こそ44%でさほど目立った数字ではないものの、実施企業数自体は多い。おそらく、サービス業に分類されている外食が積極的に優待制度を導入しているからだろう。

一方、新設企業においてよく見られるのは、東証1部市場などへの市場変更(昇格)を意識して導入に踏み切るというパターンだ。市場変更を認めてもらうためには、所定の基準まで株主数を拡大する必要が生じる。優待を新設すれば個人投資家が殺到しがちなので、手っ取り早く株主を増やせるわけだ。
「実際、私どもの調査結果でも、優待制度を新設した企業では株主数が増加傾向を示していました。これに対し、拡充した企業も若干増加していますが、縮小したり廃止したりした企業では減少傾向がうかがえます」(福島さん)

2012年以降、優待内容を拡充する企業は連続で増加している。一方、縮小する企業は2014年まで減少してきたものの、その後はやや増加している。ちょうど優待人気に火がついたころで、企業側の想定以上に株主が増えすぎて、優待のために確保していた予算が足りなくなるというケースが多かったのだろう。

ちなみに、野村インベスター・リレーションズが優待実施企業に行なったアンケート調査によれば、「株主優待にかかる年間費用は1000万円未満」との回答が約5割を占めていた。そして、会計処理では「交際費」に計上する企業が目立っている。株主側からすれば、「もっと予算を確保して親密に交際してね!」と注文をつけたくなるが……。

それはともかく、ほかにも特徴的な動きがうかがえる。
「長期保有の株主に対して優待内容を優遇する制度を新設する企業の件数は、2007年度をピークに減少してきました。ところが、2010年度以降は再び増加傾向に転じています」(福島さん)

特に2015年度は、導入企業は目立って増加。その反動で2016年度は前年度比減となったものの、それでも2014年度よりは増えている。長期的な安定株主を増やしたいという企業の意向がうかがえる結果だと考えられる。

一概には言えないにせよ、定期的な特典を楽しみに保有し続ける個人投資家が少なくないため、えてして優待銘柄は株価の下値も限定的。その点も大きな魅力だろう。

新設優待で儲かる3つの買いワザ

優待の新設は市場でもホットなニュースとして注目されがち。ただし、「急騰↓反落」となりやすいので、仕掛けるタイミングに注意!

買いワザ ●1 発表直後は避け、1週間後以降の底打ちを待つ

まずは、下記の表に注目!これは、昨年に優待の新設を発表した銘柄の株価上昇率を検証したものだ。
「発表直後の数日間は急騰するものの、まもなく横ばいに転じるケースが多いようです。しかし、検証期間中にトランプ相場が到来した点は割り引く必要があるものの、発表から3~6カ月後のパフォーマンスが向上しています」

こう指摘するのは、フェアトレードの田村祐一さん。材料が出てしまった後に、新設された優待の価値をはるかに上回ってさらに買われていく展開は期待しづらい。

だとすれば、純粋に新設優待が欲しくてその銘柄を手に入れたい場合は、横ばいを続けてきた株価が底打ちする兆しがうかがえるまで辛抱したほうがいいだろう。

買いワザ ●2 新設優待がクオカードなら、短期利ザヤ狙い

田村さんによれば、新設優待がクオカードの場合は、明確な傾向があるという。
「クオカードは人気が高いので、新設発表直後は大きく上昇しますが、1週間程度でマイナスに転換。そして、3カ月後から6カ月後にかけて、再び上昇傾向を示します

株価反発の水準が買い場となるわけだが、長くホールドするのは考えものかも?
「クオカードの価値は金額表示で明確なので、それとかけ離れた水準まで上昇するには別の材料が必要。したがって、2~3カ月以内に利益確定するのが無難です」(田村さん)

買いワザ ●3 IPO銘柄の優待新設を狙い撃ち!

IPO(新規株式公開)銘柄の大半は新興企業で、優待制度を導入していないケースが多い。一方で、上場直後は派手に上昇するものの、やがて反落して下げていくのがIPO銘柄にありがちな株価推移。そういった特徴に着目するのが3つ目のワザだ。
「IPO銘柄の多くは、株価が低迷している局面で『ロックアップ』が解けることになります。ロックアップが解けて経営者が自分の保有株の一部を売る際に、株価が高くなっているほうがありがたいのは当然のこと。そこで、株価上昇を促すカンフル剤として、優待の新設を発表する可能性が考えられます」(田村さん)

では、優待を新設しそうなIPO銘柄はどうやって見つけ出せばいいのか。意外と簡単で、外食系などのように優待を実施していたほうがメリットのありそうな企業に目をつけるのだ。その具体例として、田村さんは下記の銘柄をピックアップする。
「発表後に急騰したタイミングで売るのも一考ですが、業績もよければ、さらに株価水準が見直されそうです。特に外食系のIPO銘柄は、業績拡大しやすいです」(田村さん)