ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

高くて手が出ない値ガサ株に売買単位引き下げの可能性

株式市場では東証の要請に従い、売買単位の引き下げによる最低投資金額の引き下げが行なわれている。
その一方では、いまだに高額で手が出しづらい銘柄も存在する。それら値ガサ株に投資資金小口化の可能性はあるのか?

東証の要請は100株で投資金額5万~50万円

ロン●株式市場では、4月から売買単位引き下げの発表ラッシュだったね。少額で投資できる銘柄が増えて、個人投資家には朗報だよ。
竹内●4月以降、400社近くが売買単位の引き下げを発表しました。5月末時点で3600を超える上場銘柄のうち、最低投資金額が100万円を超える1000株銘柄は50社に減りました。東証が定めた“100株化”の期限は来年10月です。
芦田●100株にするメリットって何?
ロン●誤発注の防止だね。日本株の売買単位は1株、10株、500株など6種類もあって、証券ディーラーや海外投資家にも不評だった。コンピューターを使って売買する超高速取引業者も「システムを簡素化できる」って100株への統一を歓迎しているよ。
芦田●私も大歓迎!
ロン●売買株数の統一とは別に、東証は最低投資金額を5万~50万円にするよう企業に要請している。
竹内●株式併合と売買単位の引き下げを組み合わせるケースが多いですね。京浜急行電鉄は10月1日付で、2株を1株に併合して、売買単位を1000株から100株へ10分の1に減らします。投資に必要な金額が130万円から26万円になります。株主優待が人気の安定配当株なので個人マネーが流入し、値上がりが期待できますね。
芦田●「○株を1株に併合」「売買単位が10分の1」なら、投資金額は「10分の○」に減るってことかあ。
ロン●真菜美ちゃん、算数が得意なんだね。
芦田●もう中学生だから、算数じゃなくて数学です!
ロン●最低投資金額が下がる銘柄は注目だね。ミニ株(単元未満株)を扱っている証券会社もあるから、売買単位の引き下げ前に先回りして買っておくのもよさそうだ。
芦田●まだ、売買単位や金額を引き下げない会社もあるんでしょ。
竹内●少数ですが、あります。東証は売買単位引き下げを見送る企業に今後の方針を開示するよう求めています。道路舗装大手のNIPPOは「実施時期を含めて具体的な検討を進める」と前向きです。9月の中間決算発表あたりが正式発表のタイミングでしょうか。
最低投資金額が1000万円以上と全上場銘柄で最高のエスケー化研は、投資単位の引き下げについて「慎重に検討する」と消極的です。ただ、売買単位が1000株だから、来年10月までには必ず変更することになります。
ロン●100株化は承諾できても、投資金額の引き下げは嫌う会社もある。機関投資家の大口売買ばかりだと株価は不安定になりがちだけど、個人の小口株主が増えると株価は安定する。でも、株主数が増えれば、業績報告や配当金支払いなどの負担も増えるデメリットもあって、バランスが難しい。望ましい株主構成は企業が決めることで、東証に口を出してほしくないと考える経営者は多いよ。

ファーストリテイリングがこれ以上下げられないワケ

芦田●100株単位に引き下げたけど、まだ投資金額が100万円を超える企業はどうするの?
竹内●東証が目安とする5万~50万円は“望ましい”金額であって、強制力はありません。ファーストリテイリングを買うには400万円近く必要ですが、すでに100株単位の売買なので、制度上は今のままで問題ありません。
ロン●ファーストリテイリングは日経平均株価の構成比率が最も大きいから、不用意に大型分割したら日経平均連動型ETF(上場投信)の大量売りが出る可能性がありそうだ。 もっとも、ファーストリテイリングは昨年11月の発表文で「現時点での投資単位は適正」「投資単位の引き下げは検討していない」と明言している。会長兼社長の柳井正さんが、命令でもない緩やかなお願いをすぐに聞くとは思えないなあ。
竹内●超高額銘柄では、キーエンスに注目しています。東証の時価総額最上位株で構成する「TOPIXコア30」ですが、日経平均には未採用です。500万円もの投資金額がネックになっているようですが、仮に50万円になったら、日経平均には即採用で、株価も一段高でしょう。
芦田●キーエンス、証券コードは6861っと。
ロン&竹内●え、真菜美ちゃん、今すぐ買うの!?