ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

今年も新規上場が相次ぎ、大いに盛り上がっているIPO(新規株式公開)。初値が吹き上げる銘柄も少なくないが、抽選に外れた投資家たちは”蚊帳の外”だ。IPOセカンダリーを攻略するにはどんな作戦が有効なのか?

初値高騰組のその後は不振気味。初値不振組は逆の傾向に

このところ、数多くの企業が上場を果たし、おしなべてIPO株が好調です。公開価格をはるかに上回る初値をつけるケースが少なくない半面、なかなか抽選に当たらないだけに、セカンダリー(IPO後の市場での取引)をいかに攻略するかがポイントとなってくるでしょう。そこで今回はセカンダリー攻略のポイントを検証してみました。

左ページ下段の小さな表は、昨年1~4月に新規上場した銘柄における初値騰落率のベスト5とワースト5です。それぞれを見比べると、驚異的な初値をつけた銘柄の株価は、足元で軒並み低迷していることがわかります。対照的に初値があまり吹かなかった銘柄はおおむね好調です。したがって、セカンダリーでの攻略を考える際には、初値高騰組よりも初値不振組のほうにフォーカスを当てたほうが有効だといえるかもしれません。最初はテーマ性や話題性で人気が過熱し、業績とかけ離れた水準まで株価が上昇するものの、しばらくすると市場では冷静かつ客観的な評価が下されるということなのでしょう。

こうしたことを踏まえたうえで、左ページ上段の今年1~4月の新規上場企業における初値騰落率のトップ10とワースト10を見てみましょう。

デイトレーダーの餌食にならぬよう慎重に攻略を!

上の表の初値高騰組の顔ぶれを見渡すと、ビッグデータやクラウド、情報セキュリティー、eコマース(電子商取引)といった時代のキーワードに関連する企業が目立ちます。また、博多ラーメン「一風堂」を運営する力の源ホールディングスや鶏料理居酒屋「てけてけ」を展開するユナイテッド&コレクティブのように、私たちにとって身近に感じられる企業が入っているのも特徴的でしょう。言い換えれば、いずれも広く注目が集まりやすいビジネスを展開している企業ということです。

これに対し、下の表の初値不振組の1~3位はいずれも再上場企業で、新鮮味がないことが反応の鈍さに結びついたのかもしれません。一方、4位と7位は投資法人なので、度外したほうがいいでしょう。つまり、セカンダリーを狙っていくうえで”伸びしろ”がありそうなのは、このリストの中では5~6位、8~10位ということになりそうです。

5位のウェーブロックホールディングスは国内最大手とはいえ壁紙という地味な製品、8位の安江工務店と9位のグリーンズはローカルな企業だったことが人気薄となった要因かもしれません。その意味では、電子コミックを配信する6位のビーグリーや、クラウドソーシング(ネットなどで不特定多数の人に業務委託する雇用形態)を活用している10位のうるるが人気化しなかったのが少々不思議です。

IPOの多くは、個人投資家が中心の東証マザーズ市場に上場します。ここを牛耳るのはデイトレーダーで、やみくもにセカンダリーを追いかけると、彼らの餌食になりかねません。ここで紹介した値動きの特性を踏まえて、慎重な攻略を心がけましょう。

このランキングの結論

1 初値が高騰したIPO銘柄は、その後の株価が低迷気味。
2 初値が不振だった銘柄は、その後に評価が高まる傾向が。
3 IPO直後は手を出さず、初値不振組のその後に注目。