ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

高金利通貨として一世を風靡したNZドルだが、利下げによって高金利通貨としての魅力は薄らいでいる。今後はどんな戦略で投資すべきなのだろうか。

今月の先読み先生
eワラント証券 投資情報室長
小野田 慎 さん MAKOTO ONODA
イボットソン・アソシエイツ、ゴールドマン・サックス証券を経て現職。
ポートフォリオ構築の専門家としての経験を生かし、幅広い資産の分析を行なう。

ニュージーランドの債券等に投資する投信の投信残高も減少傾向に

NZドルはかつて、先進国の中でも金利の高い通貨であったことから投資家の人気を集めましたが、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)による2015年6月以降の段階的な利下げにより、もはや高金利通貨とはいえない状況です。

現在の状況について、下段の上の図を見ながら考察してみましょう。これは2015年1月以降のNZドル/円と公募投資信託の純資産総額の推移を比較したものです。公募投資信託はニュージーランド債券などを主要投資対象とする投信です。

2015年5月には540億円を超えていた純資産総額が、同年の後半から残高が減っていき、2016年12月には約420億円になり、2017年5月には360億円まで減少したことがわかります。これは投資家がNZドルを選好しなくなったことの表れといえるでしょう。

NZドル/円相場も、投資家の資金流出に伴って2016年10月まで下落傾向にありました。11月以降はNZドルが対円で上昇していますが、これはトランプ相場において日本円が対米ドルで売られたことが影響していると考えられます。

以上のことから今後のNZドル/円については、引き続き投資家にとって魅力的な通貨とはいえないようです。今年5月に発表された政策金利は1・75%と据え置かれましたが、2015年の利下げ直前には1%以上のカイ離があった豪州の政策金利は現在1・50%と、大差がありません。また、米国も6月に追加利上げを行なうと考えられますので、現在のようなNZドルの上値は限定的かもしれません。

今後のNZドル/円の予想レンジですが、7月末には50%の確率で76・2~80・7円、8月末には50%の確率で75・8~81・1円を想定します。レンジの上限では迷わずNZドルの売りを検討したいところです。