ネットマネー 2017年8月号より一部を特別公開!

今月の注目点 ビッグデータ、AI関連は大きく2つに分類できる

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこで、このページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択して、ランキング形式で紹介していく。
今月はアクティブ型投信などの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

アクティブ型はAI、ロボ関連のファンドが目立つ

2017年5月の世界の株式市場は、投資家のリスク回避姿勢が後退したことや、米国企業の業績回復期待などが好感され、日米を中心に上昇した地域が目立ちました。

月の半ばには、トランプ大統領の「ロシア疑惑」による政策遅延懸念が広まり、世界的に株価が大きく下落する局面もありました。しかし、米国の個人消費支出など良好な経済指標に支えられ、NYダウとS&P500種は史上最高値を更新しました。そして、日本の株式市場でも日経平均株価が2万円台を突破。大きな節目を抜けてきました。

こうした中、アクティブ運用を行なう投資信託(「非インデックス」ファンド)で、5月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、これまでの定番であった毎月分配型に加えてビッグデータやAIといった話題のテーマに関連したファンドのほか、リスクコントロール型もランクインしました。

昨今話題のビッグデータ、AI(人工知能)、ロボ等に関連したファンドは、大きく2つのタイプに分けることができます。ひとつは、関連株式に投資を行なう比較的シンプルなテーマ型で、4位につけた「ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド」がこのタイプに該当します。

AIは情報が拾いきれない小型株の銘柄選定を担当

もうひとつは、従来とは異なる新しい運用手法で投資を行なうタイプです。ビッグデータに基づいてAIやロボが銘柄を選定したり、計量モデルを活用して組入銘柄のスクリーニングを行なったりします。5位と6位にランクインした「ブラックロック・米国小型株式 ビッグデータ戦略ファンド」はこのタイプで、アナリストがカバーしきれない小型株の銘柄選定にビッグデータを活用しています。

なお、10位には、リスクコントロール型の「アムンディ・ダブルウォッチ」がランクインしました。このファンドは、市場のボラティリティーの高さと「フロア水準」を注視した運用を行なうため、類似ファンドと比べて「守り」の要素が強い点がポイントです。運用ポートフォリオの80%強が現金を含む短期金融資産と債券で占められていることから、基準価額の値動きは緩やか。投資初心者を中心に支持を集めています。

アジアに投資する投信ではインドが上位を独占

さて、日本を含むアジアに投資する投信の状況はどうでしょうか。

次ページに主にアジア地域に投資を行なう投資信託(ブル・ベア型、SMA/ラップ、確定拠出年金専用ファンドを除く)を抽出し、5月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、上位10本中インド関連のファンドが計8本を占めました。他は新興国のなかでも比較的に好調なベトナムとシンガポールを含む中華圏に投資するファンドが入っています。

アジアだけでなく、一般的に新興国への投資というと、中長期にわたって資産を寝かせ、最終的にハイリターンの果実を享受するというイメージが強いといえます。

しかし、新興国を取り巻く環境はここ数年の間にめまぐるしく変化しており、抱えるリスク要素も各国で異なります。また、近年では、通貨選択型など為替の影響を大きく受けるファンドも増えました。

中長期投資が前提だからといって過信せず、また、新興国と一括りにせず、日頃から投資している国の情報に耳を傾ける習慣をつけるようにしましょう。

ポートフォリオのスパイス的な要素として新興国投信を活用するなら、まずは仕組みがシンプルかつ低コストなインデックスファンドから始めるといいでしょう。