ネットマネー 2017年9月号より一部を特別公開!

失敗しない儲けの極意!目指せ月収100万円コインランドリー投資

「大家さん」で成功した人たちが、手間のかからない「コインランドリー投資」に注目している。その理由と成功例、失敗例をルポしよう。
取材、文●山本信幸、日比忠岐(エディ・ワン)
撮影●関 大介、岸本信行 写真提供●エレクトロラックス・ジャパン

売り上げ予測と経費の精度が肝

「コインランドリー投資」が注目されているのは、
①無人店舗で運営できるので人件費が抑えられる、
②個人の経営能力に売り上げが左右されにくい、
③利用者がお金を入れてから機器が作動するのでムダが少ない、
④初期投資費用が不動産投資に比べて低い、という利点があるためだ。

とはいえ洗濯機の普及率は100%に近く、コインランドリーの需要はあるのだろうか。運営会社の多くは「共働き家庭が増えて洗濯に使える時間が減っている」ことを指摘し、短時間でまとめ洗い、乾燥ができる、布団まで洗えるので、アレルギーやダニ対策になるといった理由を挙げる。コインランドリー店舗も様変わりした。機器は大型・高性能化し、店内は明るく、キッズスペースを設けたり、洗濯代行や洗濯物を畳むサービスを提供するところもある。

ただし、コインランドリー投資は難しくはないが予測を誤ると毎月赤字を垂れ流す恐れがある。そこで運営会社が示す売り上げ予測と経費の精度をチェックし、サービスに関わるクリーニング業法、設備に関するガス事業法等を学んで、着実な利益を目指そう。

Case1 月収約30万円 設備の導入も自ら手配。イチから始めるコインランドリー経営

所有物件で新規投資に挑む

都内を中心に10棟80室を所有し、年間約8000万円もの家賃収入を手にする投資家の紀村奈緒美さんだが、コインランドリー経営を始めたのは、昨年8月からだという。「2017年5月に東京都足立区に投資用マンションを新築したのですが、建築時に悩んだのが、1階部分をどうするかということでした。部屋なのか、パーキングなのか、倉庫なのか、それとも……と、ベストな選択を求めてさまざまな業者から提案してもらうことに。それらを吟味した結果、以前から少し興味のあったコインランドリーに目が留まったんです。物件周辺を歩いて回ったところ、競合しそうなところもほとんどなかったので、挑戦してみる価値はありそうだと思いました」

会社員時代から始めた不動産投資歴は7年という紀村さんだが、コインランドリーを経営するのは初めてのこと。「まずは情報収集も兼ねて、いくつかのフランチャイズ店を回ってみることにしました」

そうして何社かに問い合わせているうちに気づいたのは、「これ、自力でできるかも」ということ。機材はメーカーから直接購入、コインランドリーの設計・施工に慣れている業者に依頼すれば、フランチャイズに加盟するより、安く開業でき、運転資金も抑えられるはず。そう確信した、紀村さんはさっそく行動に移る。「メーカーに問い合わせたところ、想像していた以上に安値で機材を導入できることがわかったんです。施工業者からも300万円ほどで改装が可能と聞き、これは自分でやるしかないと決断しました」

こうして紀村さんは、「レインボーランドリー」と名づけたコインランドリーを開業。24時間営業で、売上高は月に約30万円、諸経費を引いた粗利益は20万円ほどだという。

「それほど大きな金額ではありませんが、ちょっと多めの毎月のお小遣いと考えるれば、うれしいものですよ」 24時間営業なので防犯面の不安はあるが、「防犯カメラの映像をスマートフォンでいつでも確認できるシステムを導入しているので、何かトラブルが起こればすぐに対応することができます」という。

また、フロアの清掃や洗剤の入れ替えなどの日常の保守・点検は、パートで雇った近隣の住民に行なってもらうので、運営上の手間はほとんどないという。「ただ、お客さんを呼び込むための宣伝は自分でする必要があります。私は、チラシを配ったりするほか、長年の家事経験を生かしたお洗濯講座をここで定期的に開催しています。参加者も多く、けっこう好評なんですよ」

残業の日々から投資の道を選択

現在は不動産投資を専業としている紀村さんだが、今年4月までは製薬会社に勤める会社員でもあった。投資に興味を持ったきっかけを、紀村さんは次のように語る。

「製薬会社に勤める以前、広告代理店に勤務していたんですが、残業がものすごく多くて、毎日クタクタになって帰宅するような生活でした。もし体調を崩したら、家族に迷惑をかけるという不安も人一倍あって……。将来に備えて安定した収入源を確保できる副業を持ちたいという思いから、不動産投資の世界に飛び込みました」

最初に購入したのは、東京都板橋区の5LDKの木造一戸建て。改装して男性専用のシェアハウスとして活用したところ、ほぼ常時満室の優良物件へと生まれ変わった。年28%もの利回りは、その後、紀村さんが不動産投資家として活動していく貴重な資金源になったという。

「高い利回りを実現できたのは、管理を業社任せにはせず、自分で行なったことも理由のひとつ。足立区に新築したマンションも、その1階のコインランドリー同様、管理するのは自分です。できることはなるべく自分でやるように心がけています」

不動産投資で成功する秘訣のひとつといえそうだ。

Case2 月収約60万円 フランチャイズ代理店の甘い売り上げ予測で毎月20 万円の赤字経営に

毎月20 万円の赤字に耐え忍ぶ

埼玉諏ス訪ワ郎ロー頭ズさんは1年前、フランチャイズ代理店の営業マンから埼玉県内の店舗を紹介された。見積もりでは投資金額2000万円以上、毎月の売り上げ予測は60万~70万円。「この予測は甘めですか?」と聞くと営業マンは「当社の標準です」と言い切ったという。ただし電気・ガス・水道などのランニングコスト(売り上げの25%相当額)、家賃や清掃のパートの人件費などが発生するため、利益は年間30万円程度だった。

「交渉して金額を2000万円以下に下げてもらうと、1年目の利益が144万円、2年目からが240万円になる見積もりが出てきました」経営を始めて青ざめた。毎月の売り上げが30万~50万円程度にとどまり、ランニングコストは40%を超えた。店の毎月の赤字は20万円に!「売り上げ予測が甘々だったんです。ランニングコストが高いのは毎月10万円前後もかかる電気代のせいでした。店舗改装費用を小さく見せるために電飾看板と店内の照明に蛍光灯を使ったためでしょう」

テコ入れ策として「照明をLED(発光ダイオード)に交換。費用は代理店に請求しますが、のむかどうか。パートの人件費なども削りました」。それでも赤字を止める効果しかないが契約上撤退は厳しい。埼玉諏訪郎頭さんは、コインランドリーの運営は投資経験の少ない人には難しいと考える。

右肩上がりで店舗数が増加中!新規参入でも失敗しないコインランドリー投資の経営ノウハウとポイント

成功するための3つのキーワード

エレクトロラックスは、スウェーデンの家庭用電気製品および業務用電気製品のメーカーで、150を超える国や地域に製品を供給する会社。日本では、コインランドリー機器メーカーとしては国内販売トップで、全国4600店舗を超えるコインランドリー店をプロデュースしている。 エレクトロラックスはメーカーだが、「商品を供給して終わりではなく、お客さまと一緒にビジネスモデルを考え、それに合った解決策までを提供しています」と同社の日本・韓国地域代表の浅井伸宏さん。

同社が注力しているのは長年畜積したノウハウを生かした「エコラックスランドリー」。ランドリーユーザーが来店中に一息つける空間の提供をコンセプトに、植物由来の洗剤や柔軟剤を使用、洗濯・乾燥の終了時にメールで知らせる仕組みも取り入れた。

コインランドリー店は右肩上がりに増えている。厚生労働省の調査(下のグラフ参照)では、コインランドリー店の数は1997年の約1万店から2013年の約1万6000店へ1・6倍に増加。対照的にクリーニング店は年々店舗数が減少。布団や毛布の丸洗いなど、コインランドリーで“できること"が増えたことで、客がシフトしている様子がうかがえる。

 しかも、「2013年以降は機器の出荷台数などから見ても、もっと大きな伸びになっていると考えられます」と話すのは、同社プロフェッショナル事業部の武たけ居すえ浩美さんだ。

コインランドリーの出店はこれまで地価の安い地方都市に集中していたが、この2年ほどは東京や大阪など地価の高い大都市圏の出店が増えている。その最大の理由を浅井さんは、「コインランドリーに注目する資金力のある投資家が増えたことにある」と分析している。「年齢層では30~40代の個人投資家が増えています。資金力とアイデアと行動力のある若い投資家の参入で、利用者の目線ではコインランドリー店が明るく清潔な居心地のいい空間になり、多様で便利なサービスが提供されるようになりました」(武居さん)

コインランドリーは、投資家目線では安定資産と位置づけられる。賃貸経営を中心に据えたリスクとリターンのマトリックス図を作ると、コインランドリー経営の位置は賃貸経営よりも「ローリスク・ミドルリターン側になる」(浅井さん)ためだ。

投資を成功させるポイントは、清潔で居心地のいい空間と便利なサービスに加え、IoTの活用で省力化を図り、利便性の高いサービスを考え、長期投資の意識を持ち、1割に満たない利用者の拡大に知恵を絞ることだという。