ネットマネー 2017年9月号より一部を特別公開!

2今月の投資戦略日本株

とかく全体相場(日経平均)の動きばかりに注目しがちだが、セクター別の推移に目を向けると、法則性が浮き彫りになってくる。その動きを踏まえたうえで投資戦略を練れば、今年後半の相場攻略は楽勝!?

半年周期で株価の浮き沈みが顕著になっている!

2万円台を回復したとはいえ、年初からの動きを振り返ってみれば、日経平均株価はさほど派手な動きを示していません。3月までは狭いレンジ内でのもみ合いが続き、4月中旬にかけては地政学リスクの高まりを受けて一時1万8200円台まで下げました。そこから反発して2万円台に乗せるまでは比較的急ピッチだったものの、以降は上値が重い展開となっています。

ところが、こうした指数の動きと対比させてみると、セクター別の株価の推移にはかなりの差が生じています。結論から言えば、半年周期で株価水準が大きく変化しているのです。過去6カ月間にわたって上昇が顕著だったセクターは、次の6カ月間で著しく低迷しています。

左ページの「業種別株価指数・騰落率ランキング」で詳しく見ていきましょう。2016年1〜6月はリスクオフ(リスク回避)の風潮が強まり、円高が進んだことから、全体相場は下げ基調が鮮明になっていました。その中で底堅い動きを示したのが情報・通信業、食料品、建設業、パルプ・紙です(2016年1〜6月のランキング、水色部分を参照)。建設業を除けばいずれもディフェンシブ系で、これら4セクターを内需系という共通項でくくることもできます。しかし、2016年後半の推移を見ると、前半上位の4セクターはいずれも騰落率で下位に入っているなど、対照的な動きになりました。さらに直近の今年1〜6月は、建設業以外がまたしても上位に復活を遂げています。冒頭でも述べた通り、今年の前半は全体相場がパッとしない動きだっただけに、ディフェンシブ系が物色されたようです。

続いて、2016年1〜6月に下位に入っていた保険業、鉱業、証券・商品先物取引業、銀行業を見てみましょう(2016年1〜6月のランキン グ、グレー部分を参照)。2016年後半は騰落率の上位に名を連ねたものの、今年1〜6月には保険業を除く3セクターが下位にダウンし、こち らも半年周期の変動が顕著となっています。

今年の前半戦で売られすぎたセクターに注目!

こうした法則性を念頭に置けば、今年後半における投資戦略のヒントが浮かんでくるでしょう。今年前半の騰落率で、その他製品がトップに立ったのは、任天堂株の大幅上昇がもたらしたものなので例外視したほうが無難です。その他の上位組を見渡すと、食料品やパルプ・紙、情報・通信業は法則性が高かっただけに、今年後半にはピークアウトする可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。

より高いリターンを狙っていくなら、こうした上位組よりも下位組にフォーカスを当てたほうが得策かと思われます。銀行業、証券・商品先物取引業、鉱業のリバウンドに期待するというのが具体策のひとつです。一方、陸運業、繊維製品、石油・石炭製品が反発色を強める可能性も考えられます。少なくとも、売られすぎからの水準訂正の動きが見込めそうです。上場すれば米国アップルを抜いて世界最大の時価総額となることが確定的なサウジアラビアの国営石油会社・サウジアラムコも2018年のIPO(新規株式公開)を目指しており、サウジが原油の供給を絞り価格引き上げを狙ってくる、というのもありうる話でしょう。

セクターごとの浮き沈みに着目した投資を実行するのであれば、業種別ETF(上場投資信託)に目をつけるのが一考です。出来高が多くないのが難点ですが、個別に銘柄を吟味する必要がありません。今年後半に顕著な上昇が見込めそうなセクターに、手間なく資金を投じられます。