ネットマネー 2017年9月号より一部を特別公開!

金利と為替レートの連動と カイ離から値動きを予測する

6月14日の米国の利上げ後、米国債10年物の利回りは低下したものの、逆に米ドル/円の為替レートは上昇。中期的に見れば金利と為替はおむむね連動するものだが、この逆方向へのカイ離は何を意味する?

今月の先読み先生

カブドットコム証券投資情報室 投資アナリスト藤井明代さんAKIYO FUJII株主優待からテクニカルまで幅広い分野の情報発信で人気。ラジオやテレビなどレギュラー出演多数。著書『勝てる!「優待株」投資』(幻冬社)。

米ドル/円は中期的に米国債10年物利回りと連動。逆へのカイ離は変動余地!?

為替レートは、長期的に見ると「国力の差」や「経常収支の差」に影響を受けますが、中期的なスパンでは両国の「金利差」が決定要因になります。日本はゼロもしくはマイナス金利で、国債10年物の利回りは0〜0・05%にすぎません。そのため、米ドル/円の場合は日米金利差というより「米国金利の動向」に直接的に連動すると考えたほうがよりシンプルです。

下段・上の図は米国債10年物利回り、下の図は米ドル/円の推移を示したもの。両者は明らかに連動していますが、直近では天底の時期に多少のズレが生じています。米国では昨年11月9日のトランプ大統領選出以降、2・6%台まで跳ね上がった国債10年物利回りですが、4月18日には2・166%の下値をつけました。対する米ドル/円も、ほぼ同日の4月17日に1ドル=108・10円の安値まで下落。その後、米国債10年物利回りは反転して5月11日に直近高値の2・422%に到達。同日に米ドル/円も114・36円の高値をつけ、この間の天底形成では金利と為替がほ ぼ連動しています。

ところが、6月14日に米国FOMC(連邦公開市場委員会)で今年2度目の利上げが発表された後、材料出尽くし感から10年債利回りは4月の下値を割り込み2・095%まで下落。一方、米ドル/円は同4月の安値を下回るどころか、逆行して円安に振れています。あくまで現況の金利水準に相応したレートで考えるなら、1ドル=106〜107円台が妥当。カイ離発生はその後の連動性回帰を狙った取引のタイミングにも見えます。中期的には連動性のある金利と為替レートですが、短期的に非連動性が生じるケースもあるのです。