ネットマネー 2017年10月号より一部を特別公開!

すべてのモノがインターネットでつながるIOT

今さら聞けない「あいおーてぃー」って何ですか??

モノとモノがインターネットでつながるのが、IoTである。田代さんは「IoTはネット社会のことを大ざっぱに指している」と説明する。

2000年前後、普及が始まったばかりのインターネットはパソコンの中だけで完結していた。しかし、ケータイでニュースが読めたり、メールを送れるようになると、ネットはパソコン限定ではなくなった。

最近では、スマホからネット回線を通じてエアコンの操作もできるようになった。自動販売機が在庫を常に把握し、商品が不足したら自動発注する技術も開発されており、これも自販機をネットにつなげることで可能になったもの。モノをネットに接続することで、離れた場所からあらゆる機械を操作できるようになるというのがIoT社会の最大の特徴といえそうだ。機械が人手の制約を受けなくなることでもある。

政府が6月にまとめた今後の成長戦略「未来投資戦略2017」では、IoTによる企業や社会の変化を「第4次産業革命」と位置づけた。欧米諸国もIoTを国策としており、今後は経済産業省や財界が中心となって、技術開発や人材育成などを多面的に支援していく。

IoT関連がこれからも上がる理由!

いつ、どこにいても機械をコントロール

「IoTってカッコよく聞こえますが、結局はインターネットなんです」

投資情報会社フィスコのアナリスト、田代昌之さんは続ける。

「NTTドコモが1999年に始めた『iモード』がIoTの走りです。ガラケーとインターネットがつながったわけです。その後、スマホの登場で外からエアコンをつけたり、お風呂を沸かしたりすることもできるようになりました」

室内でしか使えないリモコンがネットとつながるスマホに代わることで、どこにいても機械をコントロールできるようになる。モノとモノがつながっているイメージだ。

IoTはほかの先端分野とも密接に関連しているが、田代さんに関係を整理してもらった。

「日常生活では目に見えにくいですが、IoTの発展がAIやビッグデータ解析にもつながっているのです。ビッグデータで集めた膨大なデータがあっても人間は解析しきれません。そこで、AIが必要になります。頭のいいロボットのような存在ですね。しかし、せっかく優秀なAIがあっても、分析するビッグデータがなければ宝の持ち腐れになってしまいます」

AIの応用例であるコンビニの販売促進活動では、「全国の店舗で商品ひとつひとつが、いつどこで誰に売れたか、ほかに買っていったものは何かなどの大量の記録の蓄積がビッグデータ。収集されたビッグデータを分析し、販売促進策の立案に使える状態にするのがAIです。絶え間なく情報収集するには、どこでもネットにつながっている環境は欠かせません。

データを預かってもらうクラウドは、ビッグデータの保存場所。データが増えるに従ってパソコンや企業サーバーに収まらなくなったため、データを安全に保管し、自由に使えるクラウドの役割が増してきたのです」

年15%で連続成長。最大テーマはAI

「IoTを投資という切り口で見たとき、最大のテーマはAIです。東証マザーズのFRONTEOや東証1部のブレインパッドなど、一般的な知名度は高くなくても有望な銘柄が数多くあります。IoT関連の設計・開発分野では、豆蔵ホールディングスがオススメ。組み込みソフトの開発で定評のある会社です。当然、IoTの普及で伸びていく企業はほかにもあります。センサー大手のオムロンや産業用ロボットのファナックあたりが有望です。顧客のFA(工場自動化)をサポートするだけでなく、自社の経営にもIoTをフル活用しているんですよ」

IoTの市場規模については多くの試算がある。ハイテク産業のリサーチで定評のある米国調査会社IDCの推計では、IoT市場は年率15%超のペースで成長を続け、2020年の世界市場規模は1兆2900億ドル(142兆円)に拡大するという。