ネットマネー 2017年10月号より一部を特別公開!

テレビやスマホで液晶を駆逐する勢いの有機EL。素材と製造装置メーカーに投資チャンスあり。

今さら聞けない「ゆうきいーえる」って何ですか??

「電圧をかけると自分で発光する化合物を集めたのが有機ELです」と、クリアリーフ総研の高橋さんは手短にまとめてくれた。電極からエネルギーを受け取ると有機ELは自分で発光するので、バックライトで照らす必要がない。このため、消費電力が少なくて済む。薄くて曲げられる特徴もある。利用者目線では、基本色である「黒が抜群に美しい」(高橋さん)。さらに斜めから見てもきれいで画像処理も速い、大型液晶画面にありがちな残像も少ないなど、長所は数多い。

有機ELパネル製品は20年以上前から存在したが、量産とは程遠い時期が長かった。

しかし、今年は東芝、ソニー、パナソニックの3社がそろって有機ELテレビを発売し、「有機ELテレビ元年」となった。家電量販店の店頭でも有機ELテレビはまだまだ値が張るが、高橋さんは「今後は、東京五輪に向けての急速な普及とともに低価格化が予想されます」と見ている。

有機ELテレビのほかにも、スマホやディプレー、照明器具など幅広い用途が広がっている。

結局、どこが液晶と違う?どの用途で成長する?

テレビ買い替え期へ。素材と製造装置が〇

「家電量販店のデータを見ると、高画質の4Kテレビが売れ始めています」。電機業界に精通したジャーナリストの高橋潤一郎さんは、消費者の高画質志向を指摘する。4Kとは画素数の“規格"のことで、従来機の4倍。見た目で違いがわかるほど美しい画面を楽しめるという。現状は液晶テレビに4Kモニターを搭載したものが主流だが、高画質テレビの本命は有機ELテレビである。

最近まで、テレビはほぼすべてが、液晶だった。しかし今年、東芝、ソニー、パナソニックの3社が有機ELテレビを発売している。勝算はあるのか。

高橋さんは、2020年夏の東京五輪にかけて、テレビの販売ラッシュを予想する。「2011年のアナログ地上波停止に伴う地上デジタルテレビへの買い替えラッシュがありました。東京五輪のころは次の買い替え期ですし、これまで五輪のたびにテレビが売れてきたので、東京五輪に向けても期待できますよ。有機ELの画質のよさは液晶とは比べものになりません。現状では有機ELは液晶より高額ですが、テレビの価格は急速に低下していくものです。両方を見比べて価格が同じなら、断然、有機ELでしょう」

スマホも有力な用途先で、「デザイン面の改良余地が少ないテレビと違って、“薄くて省電力"はスマホの強力なセールスポイントになります」。

投資対象として高橋さんは船井電機に注目する。

「来年、リーズナブルな価格の有機ELテレビを売り出すそうです。激安液晶テレビで大成功した企業なので、今回も期待できます」

また、「素材は日本企業が強い分野。最近、設備投資した企業では、DIC、出光興産、大日本印刷がおもしろそうです」。

最も目を引くのは製造装置の平田機工だという。

「有機ELと電気自動車関連の2分野をエンジンに躍進が顕著で、前期は売上高を50%超伸ばしました。熊本地震の後、復興支援で本社を東京から熊本へ移すなど社会貢献にも熱心で、応援しやすい銘柄です」