ネットマネー 2017年10月号より一部を特別公開!

世間を騒がせているヒアリの対策関連株から、社会問題化しているトラック輸送業者のドライバー不足で注目される人材サービス関連株。
麻生太郎副総理兼財務相の親族企業が買い増しを続けている思惑材料のある株まで、今月もピタッ!!と当たる株ニュースに注目だ。

ピタッ①今月の「劇的効果」

人手不足が深刻化…。無人レジ関連の注目株はスーパーに強いサトーHD

 アベノミクス最大の成果といえば、株価上昇と雇用の改善だろう。日経平均株価は1万円割れから2万円台に大きく上昇し、個人の資産形成や年金財政に貢献した。ただ、雇用のほうはといえばプラス面ばかりではなく、マイナス面も表面化している。それは人手不足。

 厚生労働省が毎月発表する有効求人倍率は、「接客・給仕の仕事」が3・6倍、「商品販売の仕事」が2・1倍と、いずれも1人の働き手を複数の企業が奪い合う状態だ。もし機械に任せる仕事が増えれば、従業員のやりくりに余裕が生まれ、人間にしかできない仕事に力を入れられる。

 セブン-イレブン・ジャパンやローソンなどコンビニ大手5社は今年4月、2025年までに全商品にICタグを取り付け、自動レジを実用化する方針を発表した。買い物カゴをレジ台に置けば、ICタグに書き込まれた商品名や価格が読み取られ、レジに表示された代金を機械に投入すれば会計は完了というわけだ。レジに配置する従業員を減らし、品出しや調理などのほかの業務に専念させられるのは大きな利点だろう。

 店員を介さない無人のセルフレジはイトーヨーカドーやJR駅構内のキオスクなどですでに実用化されている。こちらは商品のバーコードを客が読み取り機にかけて会計する仕組みで、半自動レジともいえる。

 導入した大手スーパーによれば、売り場をつぶしてセルフレジ専用のエリアを確保する必要があり、機械操作に不慣れな客が少なくないほか、万引きのリスクも増すので案内係を兼ねた監視要員も必要になる。このため、「従来10人で任せていたところを8~9人で回せるようになる程度で、劇的な人員削減効果があるわけではなかった」という。人手不足を補うには、完全自動の無人レジの実用化を待たねばならない。

 株式投資の観点ではサトーホールディングスに注目。値札シールが主流の時代からスーパー業界に食い込んでいる。コンビニ店舗などで商品の販売データを集めるPOS(販売時点情報管理)レジで過半数のシェアを握る東芝テックなど、関連銘柄は多い。 (植草まさし)



ピタッ②今月の「新たな展開」

ヒアリが調査から駆除の段階に向かえば防虫剤株の反応度が大!

 市場でヒアリ対策関連株が浮上。ジカ熱(ジカウイルス感染症)、MERS(中東呼吸器症候群)、エボラ出血熱など「蚊」を駆除対象としたケースはこれまでもあったが、今回は“地中に潜む”という新たな展開となっている。

 6月以降でヒアリが確認されたのは兵庫県尼崎市、神戸港、名古屋港、大阪南港、東京港大井ふ頭と5件。次第に西から東に広がっている。ヒアリがなぜ騒がれているかというと、特定外来生物に指定される特定外来生物被害防止法の対象で、必要に応じて国や自治体が野外等の外来生物の防除を行なうことが義務づけられているからだ。2005年に特定外来生物の第1次リストが発表されたが、その昆虫類3種類の中にアカカミアリ、アルゼンチンアリとともにヒアリが入っており、もともと懸念のレベルが高い昆虫だった。

 幸いなことに、現状では調査が主体で駆除などの対策には踏み込んでいない。ただ、マスコミでよく存在の有無が流れているように“女王アリ”が生きた形で確認されれば、一気に駆除に関心が移り、株価への反応度は大きくなるだろう。

 株式市場では、防虫剤メーカーとともにシロアリ防除のサニックス、アサンテ、防虫ウエアのティムコ、スノーピークなどに物色が広がる展開となった。シロアリ対策まで思惑が向かったのはフライング気味だが、防虫剤メーカーは東南アジア展開などで業績も好調だ。7月7日に東証2部の売買代金トップとなったフマキラーは、1987年に記録した上場来高値1280円を更新。業績も非常に好調だ。実際、神戸市で発見されたヒアリの緊急防除では、フマキラー製の液体タイプとベイト(毒餌剤)タイプの製品が使用されている。同社株を中心に個別の見直しが進む可能性が高まる。 (竹中博文)



ピタッ③今月の「成長期待が加速中」

“布団が洗える”コインランドリーでWASHハウスが東証1部昇格か

 国内最大のコインランドリーチェーンのWASHハウスは、順調な業績拡大と今後の成長期待を反映し、時価総額はすでに300億円規模。東証マザーズと福岡証券取引所の新興市場Qボードに上場しているが、上場1周年となる今年11月ごろ、東証1部昇格が予想される。

 現在の店舗網は九州が中心。コンビニと同じくオーナーがチェーン店に加盟するフランチャイズ方式だが、コンビニと決定的に違うのはオーナーが何もしなくていいこと。店舗の点検や清掃、ネットワークカメラでの監視などは本部が担当し、オーナー側は場所を提供するだけなので、トラブルも発生しにくい。店舗数の増加につれて業績が伸び、2017年12月期は税引き後で3割増益を予想する。

 同社は家庭では難しい「布団を洗う」文化の定着を目指しているという。 (伊地知慶介)



ピタッ④今月の「最有力」

日経平均の銘柄入れ替え狙いなら、除外銘柄の押し目買いが堅実な策

毎年9月上旬には日経平均株価の構成銘柄の見直しが発表される。株価指数をめぐるイベントでは最も規模が大きく、対象銘柄の株価変動幅も大きいため、収益のチャンス。

採用の本命はリクルートホールディングス。そのすぐ後ろを日本航空が追い、売買高の多い村田製作所も有力視される。過去の例では、株価の単価が低い銘柄が選ばれる傾向が強い。一方、北越紀州製紙と明電舎は出来高が少なく、除外が予想される。ただ、日経平均から除外されても企業価値そのものに変化はない。除外決定後の押し目を拾うのが堅実な投資手法だろう。 (森田陽二郎)



ピタッ⑤今月の「活性化!」

ガンの一括検査を厚労省が保険適用へ。関連株が敏感に反応!

 6月上旬にバイオ人気を活性化させる新たな材料が急浮上した。厚生労働省が、ガンに関連した遺伝子の変異を一度に調べられる一括検査を保険診療で行なえるようにする方針を固め、2018年度中の実現を目指すというニュースだ。

 肺、 膵臓(すいぞう)など一部の臓器のガンでは、特定の遺伝子を調べる検査において保険が適用されている。現状で、一括検査は保険の適用外で、患者が費用を全額負担する自由診療として特定医療機関で行なわれており、その費用は40万円から100万円程度と高額。厚生労働省は、一括検査が「次世代シーケンサー」と呼ばれる装置で効率的に可能となったことから保険適用に踏み切るもの。100種類以上の遺伝子を一度に調べる一括検査の保険適用で不要な投薬などが減り、ガン診療の進歩につながることが期待されている。

 このニュースを受けて株価が敏感に反応したのが、DNAチップ研究所とプレシジョン・システム・サイエンスだ。当初、一括検査の医療機関は全国で7カ所程度に絞り込まれる見込みだが、検査需要は確実に高まり、業績への大きなインパクトも見込まれる。ここから次世代シーケンサー装置を含めて関連株物色が広がっていきそうな一大テーマだ。(大庭貴明)

今月の爆上げ株➌連発!

①ユナイテッド(東証マザーズ・2497)
ネット企業だが、ベンチャー投資の目利き力に定評。過去の投資案件は上場前のミクシィやメタップスがある。同社が4年前に投資して温めてきた有望案件が、そろそろ開花しそう。それがフリマアプリ大手のメルカリだ。「年内にも上場するだろう」との噂も流れており、続報に期待だ!

②JMACS(東証2部・5817)
革新的な技術として海外でも絶賛されるアスカネットの空中ディスプレー「AIプレート」。このAIプレートを使い、小型ディスプレーの表示画面を空中操作できるタッチレスディスプレーシステムを開発した。創立50年を超える老舗企業による未来型ディスプレーは、株式市場に限らず、話題化は必至だ!

③フルキャストHD(東証1部・4848)
深刻なドライバー不足、トラック輸送業者の喫緊の課題を解消すべく、ドライバーに専門特化した人材サービス会社を立ち上げたのが同社。すでに営業を開始しており、市場で評価の高い人材サービス関連の中でもプレミアムが乗る公算大。



ピタッ⑥今月の「噂では済まない…」

追加売り出しが見送りに。日本郵政株をスイングトレードで攻略する作戦で

 政府・財務省は日本郵政株の追加売り出しについて、今夏実施の見送りを決めた。ただ、国の昨年度の税収が7年ぶりに前年度比で減少するなど財政事情は厳しい。販売主幹事証券会社の選定など下準備は完了しているため、株価が戻れば売却延長はすぐに解除される見通しだ。

 大株主による売り出し価格は時価の3~6%引きが一般的だ。割引率を5%とすれば、株価が1475円になると、売り出し価格が上場時の公開価格(1400円)とほぼ同値になる。株価が1475円に接近すると、追加売り出しによる需給悪化観測から、急速に上値が重くなる可能性が高い。このため、1400円以下で買いを入れ、1450円を超えたら利益確定売りを出すスイングトレードも可能になる。

 一方、日本郵政は野村不動産ホールディングの買収を目指すと発表したが、価格面で折り合わず、買収交渉が不調に終わっている。しかし、野村不動産との関係は維持され、今後はビル開発などの共同事業がありそうな日本郵政とNTT都市開発との提携を予想する声も一部に挙がっている。実現の可能性は低そうだが、日本郵政もNTTも総務省の管轄なので、単なる噂では片づけられないかもしれない。 (木島 隆)



ピタッ⑦今月の「方針変更」

イオンがグループ会社との資本関係姿勢を転換。3社が完全子会社候補か?

 イオンの今第1四半期(3~5月)決算は営業利益が11%増を達成した。悲観的な予想が多かったアナリストによる平均推計値をやや上回った。個人消費が低迷を続ける中で、イオンに限っては急速に経営体質の改善が進んでいるようだ。

 注目はグループ会社との資本関係。イオンはこれまで出資先の自主性を重んじ、あえて完全子会社化しない「連邦経営」が特徴だった。しかし、中期経営計画ではグループ企業の統合・再編に言及している。

 今後は優良出資先を完全子会社化し、配当金のグループ外流出を食い止める可能性がある。TOB(株式公開買い付け)による完全買収となれば、イオンによる持ち株比率が高くて配当も手厚いイオンモールやイオンファンタジー、安定して高収益を上げるイオンフィナンシャルサービスの3社が有力候補だろう。(東 亮)



ピタッ⑧今月の「超巨大マーケット」

高齢化で確実に拡大する相続市場で飛躍を遂げる鎌倉新書やCAPで勝負

 昨年末の調査から相続市場は年46兆円規模とも試算されており、その巨大さはめまいがするほどだ。日本国内でM&A(企業の合併・買収)の件数、金額が過去最高となっているのは、合併や会社分割を生前にしておけば節税メリットが大きいから。大東建託や東建コーポレーションが業績を拡大させているのも、賃貸アパートを建てることが相続税対策になるからである。

 この相続市場の成長を取り込む企業は、大手金融機関などだけではない。有名なのは、遺産相続サイトも立ち上げた鎌倉新書。知られていないところでは、キャピタル・アセット・プランニングが相続税対策システムを強化中だ。不動産事務代行のエスクロー・エージェント・ジャパンも相続手続きサービスを開始。むさし証券と業務提携し、リーズナブルな価格でサービスを提供している。(真行寺知也)



株ピタッBLACK

「一運、二金、三度胸」を持つ大人向けR指定ページ。思惑株、裏ネタなどハイリスクな情報を凝縮した。
兜町をさまよう黒い噂、その真意は…。株ビギナーと心臓の悪い人は読まないでね!

 ジャパンディスプレイの経営不振が続いている。日立製作所、東芝、ソニーの液晶部門を統合した寄り合い所帯であることに加え、経済産業省や産業革新機構も経営に関与しているため、一般株主には会社がどこに向かおうとしているのかわかりにくい。

 会社が発表した2018年3月期の業績予想は2期連続減収と4期連続の最終赤字。主力商品であるスマホ端末向けの中小型液晶パネルは国際価格の下落が止まらず、業績が上向く気配はうかがえない。2014年3月の新規上場から無配が続いており、株主は我慢の限界を超えているだろう。

 象徴的なのはプロ経営者の不在だろう。当初は有機ELに対抗し、液晶事業の競争力を強化する方針だったが、液晶価格の下落に背中を焼かれる形で、有機ELの開発に力を入れると言い出した。一方で米国のアップルは来年発売のスマホ新機種は液晶ではなく有機ELを採用する公算が大きく、有機EL事業での出遅れが致命傷になりかねない。

 社内では今も日立、東芝、ソニーという母体企業3社の社風の違いが残っているという。さらに、筆頭株主である官民ファンドの産業革新機構も有効な業績回復策を打ち出せていない。いったんは引退を表明した有賀修二社長が今年5月に続投を決め、しかも代表権のない社長になったことも会社の混乱ぶりを物語っている。

 政府主導で成功した再生案件といえば、2010年1月に倒産し、2012年9月に再上場した日本航空が記憶に新しい。日本航空の場合は借金さえ帳消しにしてしまえば、航空機の運航という本業の収益で経営を再建できた。しかし、ジャパンディスプレイの場合は、売れる商品を考えて作って売るという経営の根本的な能力が問われるのだ。当然、経産省にその知見も実力もない。

 ジャパンディスプレイの発足当初、経産省関係者は個人的な見解としながらも「これで液晶産業が再生できるとは思っていない。『日の丸液晶メーカー』といえば格好はいいが、実際は日本の液晶事業を安楽死させることになるだろう」と語っていた。

 ジャパンディスプレイは資本欠損(利益剰余金がマイナス)の状態にある。構造改革、つまりリストラには現金も必要になるが、金融機関からの資金調達でも難航を予想する声が出ている。

ビットコインに規制の検討を開始

 ビットコインなどの仮想通貨が徐々に浸透している一方、投資対象としてのビットコインに関連したトラブルも相次いでいる。金融庁や日銀などは規制に向けて検討を始めたようだ。

 ビットコインは金融庁も決済手段として認定し、4月からビックカメラもビットコインによる支払いを受け付けている。主な対象は訪日外国人だが、スマホを通じた支払い認証に向いているので、急速に普及する可能性がある。

 現在、JCBA(日本仮想通貨事業者協会)という業界団体がビットコイン取引システムの運営について、手探りでルール作りを進めている。

 ただ、「必ず儲かる」といったビットコイン投資詐欺が増えているほか、ビットコイン取引所が仕様変更をめぐる関係業者との意見の違いから、7月下旬には運用停止の危機に陥った。中央銀行など上位管理者が不要なビットコインの仕組みが仇となって、混乱が生じた場合の責任の所在があいまいになっている。

 ただ、政府・日銀が規制を始めれば、業界団体への天下りや既存の決済・送金システムへの配慮など余計なものまで持ち込まれかねない。日銀関係者は「マネーロンダリング(資金洗浄)への対応などビットコインが解決すべき問題は多いが、ルール作りが本格化するのはトラブルが表面化してからだろう」と予測する。

はみだしピタピタ

その1

公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が7月、ESG(環境、社会、企業統治)を重視する優良企業で構成される3つのESG指数を選定し、パッシブ運用を開始したと発表。これとは別にGPIFは、環境や企業統治を重視する企業の新指数を選定中で、今秋にも公表が予想される。コマツ(6301)など環境対応で表彰された大手企業が新指数の採用候補だ。今が先回り買いのチャンスかも。

その2

先の東京都議選で都民ファーストの会を圧勝に導いた小池百合子知事が国政に進出するとの観測がくすぶっている。小池新党の結成メンバーの一人と噂される前神奈川県知事の松沢成文参議院議員は、東京のシンボルとして、 江戸城天守閣の再建を熱心に訴えている。再建が話題になっただけで、昨年4月に被災した熊本城の補修工事で大活躍している構造計画研究所(4748)の出番が訪れそうだ。

その3

靴量販店業界で突出した地位を占めるエービーシー・マート(2670)。スポーツウエアの販売にも乗り出し、靴に次ぐ事業の柱に育てる方針だ。とはいえ、店舗面積の問題や他社との激しい競争が待ち構えており、アナリストの間でも成否は見解が分かれるところ。株価は今のところ衣料品事業の成功を織り込んでいないが、軌道に乗れば増収増益を先取りして大幅高の可能性がある。

その4

オーベクスは医療機器の好調から、今期は20%超の増益予想。今年12月に創立125周年を迎え、記念配当が期待される。麻生太郎副総理兼財務相の親族企業が株式の買い増しを続けていることも思惑材料。10月1日付で5株を1株に株式併合し、売買単位を1000株から100株に変更する予定だ。株式併合は理論上、企業価値に影響を与えないが、他社の例を見る限り、併合日前後に株価がイレギュラーな動きを示すこともありそうだ。

その5

築地魚市場(8039)はその社名の通り、築地卸売市場を拠点とする水産物卸の大手企業である。同業のヨンキュウ(9955)と、丸紅グループの非上場企業であるベニレイが築地魚市場株の買い増しを続けている。 両社ともに譲る気配はなく、水産物流通に不可欠な企業として築地魚市場株の争奪戦が表面化しそうだ。東京都が掲げる築地エリア再開発の中心銘柄としても注目されている。