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今月の注目点 デイフェンシブな投信が人気で1位に

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこで、このページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択して、ランキング形式で紹介していく。
今月は新規設定された投信などの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

基準価額が下落しても「安心な」投信が新規設定で1位に

7月の世界の株式市場は、北朝鮮のミサイル発射に対する警戒感や米国トランプ政権の先行き不透明感など、マイナス材料に振り回されました。

しかし、最終的に上昇した地域が目立ちました。良好な企業業績と経済指標に下支えされ、NYダウとS&P500種が6月に引き続き史上最高値を更新。

一方、国内株式市場は、為替市場で円高・ドル安が進行したことに加えて、安倍政権の内閣支持率低下などが響き、こう着状態が続きました。年初来高値を更新した6月からは一転、日経平均株価は月末に2万円を割り込み、7月の取引を終えました。チャート上ではもみ合い局面に入っており、ここから上に抜けるか下に抜けてしまうか、勝負どころです。

こうした中、7月中に設定された新規設定ファンドについて、月間純流入額が大きかった順に並べ替えてみたところ、「SMBC・アムンディプロテクト&スイッチファンド」が613億円を集め、2位以下を大きく引き離して首位に立ちました。

「あんしんスイッチ」という愛称がついたこのファンドは、基準価額が「プロテクトライン」(以下、PL)を上回るよう、運用を行なうファンドです。

7位と10位にセキュリティー関連がランクイン

運用開始当初のPLは9000円で、基準価額が1万600円に到達すると1万円に上がります。さらに、基準価額が1万1111円に到達すると、基準価額の最高値の90%がPLとなります。

なお、いったん上昇したPLが下がることはなく、運用途中に基準価額がPLまで下落した場合は、保証契約により、PLを下回ることなく繰り上げ償還される仕組みとなっています。

肝心の組み入れ資産はというと、債券と短期金融商品がポートフォリオの大部分を占めるため、基準価額の値動きはバランス型の中でも緩やかです。「攻め」よりも「守り」の要素が強いファンドとなっています。

そのほか、国内外のセキュリティー関連株式に投資するタイプが7位と10位に2本ランクインしました。サイバー攻撃に対するセキュリティー技術を提供する企業や、近年注目を集めるフィンテック関連企業も組み入れ対象としている点がポイントです。

AI関連はアナリストが見つけきれない銘柄の分析をサポート

昨年から注目が集まっているAI(人工知能)分野。これにロボティクス、ビッグデータ関連を加えて投資を行なう投資信託(株式追加型のみ)を抽出し、7月の月間純流入合計額が大きかった順に次ページに並べてみたところ、「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」が300億円を上回る資金を集め、首位に立ちました。このファンドは、日本を含む世界のロボティクス関連企業に投資を行なう、いわゆるテーマ型ファンドです。

AI、ロボ、ビッグデータ等の関連ファンドは、こうしたテーマ型と呼ばれるタイプのほか、最近ではAIやロボを運用手法の中に取り入れた新しいタイプも増えています。ビッグデータに基づいて、AIやロボがファンドマネジャーのために銘柄選定の「お手伝い」をするようなイメージで、アナリストがカバーしきれない中小型株の銘柄分析に活用されている点が特徴です。たとえば、7位にランクインした「GSグローバル・ビッグデータ投資戦略 B」は、アナリストレポートや決算発表議事録を投資判断に活用していますが、ランキング圏外のファンドの中には、新聞やインターネット上のニュース記事等をビッグデータの源泉としているものもあります。