雑誌『NET MONEY』2019年3月号からお届けします。

ファンダメンタルズ分析は重要だが、売買のときにはテクニカル分析の出番。ここではテクニカル分析をこよなく愛すマネックスの福島さんが、わかりやすくテクニカル分析を伝授!

国内外のマーケット事情をはじめ、個人投資家の売買動向、指標分析など幅広く研究。国際テクニカルアナリスト連盟・国際テクニカルアナリスト(CFTe)。マネックス証券では企画広報部長兼マネックス・ユニバーシティ。
トレンドの転換点を敏感に示すMACD
今回は、トレンド分析の中でも最も人気のある指標のひとつ「MACD」(通称:マックディー)について紹介します。MACDは、移動平均線の発展版のようなもの。精度も高く、売買シグナルの判断として非常にわかりやすいため、私も信頼している指標です。ただ、トレンド形成時には威力を発揮しますが、逆にボックス相場には弱い指標でもあります。また、移動平均線とMACDを比較した場合、MACDのほうがより早くシグナルが発生するため、トレンド転換のタイミングを逃すことなくトレードすることができます。
MACDの2本のラインはEMA(指数平滑移動平均)を利用して算出されています。EMAは直近の値動きをより反映するため、SMA(単純移動平均)と比較しても値動きに敏感です。よって、MACDはシグナルが早く発生するのです。
使い方は非常にシンプル。MACDとMACDシグナルという2本のラインの交差を売買のタイミングとします。上の図は、ある銘柄の日足チャートです。ローソク足チャートの下にMACDがありますね。本来、移動平均線やボリンジャーバンド、一目均衡表など、トレンド分析系の指標はチャート上に重ねて表示されるのですが、MACDはチャートと分かれて表示されているので少し異質です。売買のタイミングとしてはシンプルにゴールデンクロスやデッッドクロスが表れたときだけ売買してもOKですが、2回に分けて売買するとより精度が高まります。
図の買いタイミングを例にしますと、まずゼロラインより下で、MACDとMACDシグナルのゴールデンクロスで「新規買い(買①)」と判断します。次に、MACDがゼロラインを超えた時点で「追随買い(買②)と判断します。「買③」がダマシになる可能性もあるため、リスクを分散させるためでもあります。投下資金の割合は、7対3もしくは6対4を推奨します。ぜひ、一度、MACDを使ってみてください! Let’sテクニカル分析!

●Q MACDでの売りタイミングの判断は?
A そのほかのオシレーター系を追加して、天井で利益確定!
図の「売①」を判断として使うのもいいですが、もう少し早く(天井)で売りたい場合は、オシレーター分析でよく使われる「RSI」や「スローストキャスティクス」をさらに追加して、買われすぎのシグナルを狙って売りの判断とすることをお勧めします。
