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日本株全体の動きはさえないが、個々の企業を見ると、今期業績の滑り出しは決して悪くない。今期は、複数回にわたって業績の上方修正をする企業が続出するかもしれない。9月の中間決算に注目だ!

小幅な上方修正企業の2度目のサプライズに期待

今期は10%超の増益へ。上方修正ラッシュか!?

ロン●景気統計は足踏み状態だから実感に乏しいけど、上場企業の業績は拡大が続いているね。

芦田●そんなにいいの?

竹内●はい。今2018年3月期の業績予想が出そろった5月中旬時点では、純利益は前期比6%増の見通しでした。しかし、4〜6月期決算と同時に予想を上方修正する企業が多くて、今では今期は10%超の増益予想です。日本の上場企業全体の方向性として、しっかりとした増益基調を歩んでいると自信を持って判断できます。

ロン●これまでは業績の修正といえば、9月中間決算を見てからが定番だった。それが今年は4〜6月期決算を通過した段階で、業績修正を行なう企業が少なくなかった。例年になくペースが速いよ。

芦田●東証のルールだと、期初予想からの変動幅が売上高で10%以上、経常利益と純利益で30%以上のどちらかを超えれば、企業は業績予想を修正するんでしょ?

竹内●はい。間違いではありませんが、それは業績予想の修正を義務づけられるラインです。企業が自主的に発表する分には、売上高が3%増え ても利益が1%減ってもOKです。極端な話になりますが、1円単位の微修正だっていいんですよ。

ロン●東証がずっと「情報の適時開示」を上場企業に要請してきたからね。いいニュースも悪いニュースも投資家に素早く知らせる姿勢を長く維持すれば投資家の信頼を得られることが、企業経営者に浸透してきたんだろう。業績変動幅が東証ルールに満たなくても自主的に最新情報を投資家に届ける姿勢は、コーポレートガバナンス(企業統治)を重視する公的年金からも高く評価されるよ。

竹内●この傾向が定着すれば、海外投資家が日本株を再評価してきますよ。業績予想を裏切られるリスクを減らせるわけですから。

芦田●欧米の企業は業績予想をしないんだってね。

ロン●さすが真菜美ちゃん、よく知ってるね。企業が出す業績予想は日本では当たり前だけど、欧米では業績予想はなし。代わりに証券アナリストが予想するんだ。日本ではアナリストの信頼がいまひとつともいえるし、投資家がセールストークにだまされにくいともいえるよ。

竹内●だからこそ、私のようなまじめなデータマンが大事なんです!

芦田&ロン●竹内さん、いつも頼りにしてますよ。

芦田●ところで、業績がいいのは円安が味方してくれた自動車業界だけなの?

ロン●自動車業界が全産業の業績を押し上げているのは間違いない。しかし、好業績でこれから株価が上がりそうな企業はほかにもいっぱいありそうだね。

割安に放置されている小幅修正組が狙い目

竹内●市場で話題にならなかった小幅修正組が狙い目ですよ。7〜9月、10〜12月と、これから小刻みに見通しを引き上げてきそうだからです。具体的には、日本ハムや森永製菓のような食品メーカーが挙げられます。帝人や三菱マテリアルのような素材系の大型銘柄も業績予想をちょっとだけ引き上げましたが、市場で話題にならなかったせいか、株価は今も割安圏にとどまっています。

芦田●さすが竹内さん。大幅な上方修正だと新聞記事にもなるから、株価もすぐに上がってしまうんだよね。

竹内●世間の人が言う「いい会社」の株が必ず値上がりするわけではありません。未来の勝ち組投資家にとって大事な観点なので、覚えておいてくださいね。

芦田●はーい!

竹内●あと、下方修正リスクを抱えた企業もあります。三菱重工業やNECが心配です。この2社は単純に足元の業績に不安があるだけでなく、会社の収益構造改革が投資家の期待ほど進んでいないからです。ロン隊長の注目銘柄は何でしょう?

ロン●海運がおもしろそうだ。商船三井は予想営業利益を期初の2倍の180億円に引き上げている。昨年は営業赤字で株主の声が厳しかったから、今年は絶対に下方修正できない。180億円の予想でも、まだまだ保守的だと思うよ。

芦田●赤字企業が黒字転換する局面って、株価が最も上がりやすいんだよね?

ロン&竹内●真菜美ちゃん、今日もさえてる! もう教えることはなくなったかも。

業績好調企業が続出、今こそ〝森〞を捨てるべし

下がりそうで大きくは下がらない、かといって上がりもしない日経平均。ジレンマを抱える投資家をよそに、生き馬の目を抜く投資家はこんな個別株物色で、高パフォーマンスを上げているようで...。

リスクへの備えが活発化。のみ込まれた好決算?

岡村●日経平均株価が2万円から遠ざかりました。昨年末の終値が1万9114円ですから、まだ健闘しているといえるのかもしれませんが......。

暖田●昨年末とは比べられなくなったよな。そもそも国民からの支持率が低かったトランプ米国大統領だけど、ビジネス界からも見放されてきた。大統領助言組織の解散で、まさに孤立無援状態。米国の政治リスクが大きくなったよな。

涼川●昨年末との違いでいえば、北朝鮮リスクだよ。これがアナリスト的には一番厄介だ。

岡村●何が起こるか、予想しようがない話ですもんね?

涼川●個人投資家であれば、「北朝鮮が不透明だから相場はお休み!」って割り切れる。ただ、機関投資家はそうはいかないからね。

暖田●正直、みんな「出たとこ勝負!」と身構えるしかなかったよな。ただし、プロとして運用を委託されている以上は、「最悪のシナリオに備えていませんでした」では済まないんだよ。ここが個人投資家との違い。

岡村●やはり、リスクに対してヘッジしていたわけですね。

涼川●日経平均の先物を売るとか、プット(売る権利)を買うとかね。そうした売りヘッジが、日経平均なんかに負のエネルギーを与えてしまう。先物売りを通じて、主力株にも下押し圧力がかかってしまうだろ。これが、業績で銘柄を評価するアナリストにとっての泣きどころなんだよね。

岡村●3月決算企業の第1四半期決算が例年以上によかっただけに?

涼川●そう。今回の上場企業の4〜6月期決算は力強かった。全体の68%もの企業が最終増益を確保したのは、比率として過去最高。全体の純利益も3割以上伸びていて、高進捗率の企業もたくさんあった。それだけに残念で......。

岡村●そんなに気を落とさなくても......。

暖田●北朝鮮リスクを恐れて、みんながリスクを避ける。せっかく好業績銘柄の主力株を安く買えるのに買わない。周りの雰囲気に流されるこうした現象を「ハーディング現象」と呼ぶよな。

岡村●マーケットはこの側面が強いですよね?

暖田●ただし、これは日経平均とか全体の流れの話だ。リスク回避で好業績の個別株をカラ売りするわけではなく、売るのは先物なんかが一般的。だから、先物売りの影響を受けにくい中小型株なんかは影響が限られる点にも目を向けるべきだ。

第2の安川電機を探せ!中小型株ハンター増殖中

岡村●実は僕も、この時期に個別株の売買ですごく利益を上げているトレーダーの話を聞いたんですよ。第1四半期に利益が大きく伸びていたり、通期計画に対する進捗率が高い中小型株を買いあさっていたりすると。

涼川●そうなんだ。この時期に年初来高値をつけにいった銘柄は多かった。日経平均とのベータ値が異常に低く、逆行して年初来高値をつけた銘柄もいくつかあったんだ。全部中小型株だけどね。具体的にはセントケアHDやシードなど、どれも好決算で株価が大きく上げてるよ。

岡村●素晴らしいですね!

暖田●全体的にも業績はよかったけど、なんといっても今回は決算発表のトップバッターで知られる安川電機が特に素晴らしかった!

岡村●上場来高値をずっと更新してますね。

暖田●そう。第1四半期で通期予想を大幅に上方修正、これは驚きだった。決算発表後にアナリストは取材をするわけだけど、当然ほとんど全員が業績予想を引き上げたよね。そして、レーティングや目標株価の引き上げが株価を追いかけるように出てきたんだ。

岡村●「森より木」って感じですね。全体が停滞している中で、グイグイ高値を更新したわけですから。

涼川●リスク回避で投資家全体の手が引くと、人気のあった新興株も流動性が落ちてしまうんだ。こうしたリスクにも耐えられるとしたら、結局は「好決算」という裏づけが求められたといえるね。

暖田●中小型株なら何でもアリではなく、第1四半期決算にサプライズがあって、これまで多くの投資家が買ってこなかったものを探そう! そ んな雰囲気がすごく強くなったよな。そういう意味では「木より枝葉」といった感じか。

涼川●上がりそうな〝枝葉〞をプロのトレーダーが探し、個人投資家の多くもそれに乗っかって大きなトレンドが生まれてるよな。

岡村●これも結局は「ハーディング現象」ですね!