ZUU online magazine2019年9月号(7月20日発売)からお届けします。

ファンダメンタルズ分析は重要だが、売買タイミングを判断するなら、やっぱりテクニカル分析。
ここではテクニカル分析をこよなく愛すマネックス証券の福島理さんが、ビギナーにもわかりやすくテクニカル分析を伝授!

国内外のマーケット事情をはじめ、個人投資家の売買動向、指標分析など幅広く研究。国際テクニカルアナリスト連盟・国際テクニカルアナリスト(CFTe)。マネックス証券では企画広報部長兼マネックス・ユニバーシティ。
株価を挟んで動くバンドで、投資のタイミングがわかる

今回は、トレンド分析のツールとして知られている「ボリンジャーバンド」についてご紹介します。
ボリンジャーバンドは、移動平均線(MA)と標準偏差で構成されており、MAを表す線とその上下に位置する値動きの幅を示す線によって投資判断を行っていきます。「価格の大半がこのバンド(帯)の中に収まる」という統計学を応用したテクニカル指標です。
特徴は、バンドが収束と拡散を繰り返していることで、この動きに合わせて「順張り」や「逆張り」といった投資判断に利用することができます。
なお前提として、ボリンジャーバンドのプラスマイナス1σ(シグマ)の範囲内に収まる確率が約68・3%、プラスマイナス2σの範囲内に収まる確率が約95・4%、プラスマイナス3σの範囲内に収まる確率が約99・7%とされています。
レンジ相場時の逆張り投資として活用する場合には、プラスマイナス1σ~プラスマイナス3σをおのおの下値支持線や上値抵抗線と考え、株価がマイナス1σ~マイナス3σにきたときに買いポイント、プラス1σ~プラス3σにきたときに売りポイントと判断します(上図はプラスマイナス1σ~プラスマイナス2σで表示)。
また、順張り型(ボラティリティー・ブレークアウト)の使い方としては、もちあい相場から脱したタイミングで売買する手法があります。相場の動きが乏しいときはバンドの幅が狭まり、相場の動きが激しいときはバンドの幅が広がります。バンドの幅が狭くなってきたところで値動きに注目し、終値がプラスマイナス2σをはみ出したら、素直にトレンドに追随します。なお、バンド幅の狭い時期が長いほど、その後にブレークした際の値動きが大きくなるといわれています。
ちなみに、ボリンジャーバンドは、米国人のジョン・A・ボリンジャーが考案者。これまでも何度か来日しており、食事をした際にいろいろな話をしたのですが、とても優しい方だったのを記憶しています。

Q ボリンジャーバンドは順張りor 逆張りのどちらが有効?
Aボリンジャーバンドは順張りに効力を発揮
順張り型(ボラティリティー・ブレークアウト)で利用するのが有効的ですね。ボリンジャーさん自身も、逆張りに使うことは、実は全く推奨しておりません。
