ネットマネー 2017年11月号より一部を特別公開!

北朝鮮のミサイル発射により、世界の株式市場は調整を余儀なくされた。しかし、ここ数年の経済的・政治的ショック、トランプ大統領の就任、ブレグジット(英国のEU〈欧州連合〉離脱)のときのことを考えればわかるように、大きな下げは絶好の買い場だ。 株プロたちにこれから上がりそうな、逆張りが有効な上昇銘柄を選んでもらった。

中小・ベンチャー企業向けにITを活用した支援を展開

同社は今年7月12日に、東証マザーズに新規上場したばかりだ。ネットで成長を志す中小・ベンチャー企業に対し、ウェブマーケティングの支援、ITを活用した支援のサービスを提供している。クライアントを中堅・中小企業に特化していることが特徴だ。

現在、地方のネット広告市場は1000億円超といわれる。今後、この市場は、4000億円以上に拡大する見込みで、シェア10%を目指している。

同社の萩原猛社長は主力のネット広告に加えて、ITに詳しい人材の紹介事業や社員のIT教育などに関連した事業を成長させるという。IT化の支援で顧客の企業が成長できれば、広告の拡大にもつながるだろう。 

業績は上場前の2013年12月期から連続増収増益と堅調で、前期比で2ケタの増収を目指す。株価は、7月18日に3200円の上場来高値をつけた後は下落が続き、8月14日に1731円の上場来安値をつけた。

ここは逆張りで取り組める水準とみている。

地方や海外に積極進出。3年間で約2兆円の投資でさらなる成長を

中期経営計画では、既存事業の収益化だけでなく、新規成長領域への進出も推進中だ。向こう3年間で総額の投資で2兆500億円(国内マンション分譲分を含む)を予定。徐々に〝脱・丸の内〞を図り、地方へも積極進出する。百十四銀行が出資するシンボルタワー開発に参画するなど、瀬戸内地方での事業に積極的に取り組む。また、PFI(公共施設への民間資金活用事業)でも、高松空港(香川県)の運営権の契約を目指す。

物流施設は、新たに千葉県習志野市での開設を目指して準備中。京都にアウトレットモールの開発を行なう予定であるほか、福岡市では商業施設「ホークスタウンモール」の跡地の再開発を担う。

海外はとりわけアジア進出が加速。シンガポールの不動産大手のキャピタランドなどと組み、大型再開発事業に参画するほか、香港の投資銀行との合弁でアジア・オセアニアでのファンドを設立する。

株価はここに来て反発に転じてきた。ボックス圏の下限にあり、2500円前後までの戻りに期待したい。

テレビなどのAV機器を生産。有機EL分野にも参入

日経平均株価は上値が重い状態で、世界情勢が不安定なこともあり、地政学なリスクも高まっている。

足元の景気は良好だが、不透明感が拭いきれない。株式投資にはリスクが付きものだが、逆にこういうときは、株価が上昇線にある銘柄よりも、下降している銘柄の「逆張り」に投資妙味が出そうだ。

AV機器の船井電機は、業績的には前期まで2期連続の赤字である。不適切会計もあり、赤字幅も前期は67億円を超えるほど大きかった。

期初からの立ち上がりを見ても業績がよくなっているとは言いがたく、株価も低調だ。株価は、7月中旬の年初来高値1118円から、一気に年初来安値に近づいている。

しかし、材料がないわけではない。6月に液晶テレビの国内再参入を果たし、また有機ELテレビも投入する見通しである。東京オリンピックを控えて、テレビの買い替え需要が来ることは間違いない。船井電機が得意とする低価格機種にも買い替え需要はあるはずだ。

短期で上がり始めて長期線よりも下にある銘柄を狙う

出遅れからリバウンドを狙える銘柄の選択方法はいくつか存在する。今回は、週足と移動平均線を使う方法で考えてみたい。

底値をつけてから反発に転じる銘柄には共通の動きがある。それは、底値をつけたときのチャート上の株価が一番下の水準にあり、その上方には短期の移動平均線、さらに上に長期の移動平均線があるケースだ。

そのような状態から出直った銘柄の株価は、短期の移動平均線を超え、さらに長期の移動平均線を超えていく。つまり、下値の水準で短期の移動平均線よりも上、長期の移動平均線よりも下の位置にある銘柄というのは、出直った可能性があると言える。

そうした観点で週足の26週と52週の移動平均線で観察していくと、マツダの株価がその位置にあることがわかる。ただ、直近は52週移動平均線 の上方まで上昇していたという点が気になるが、ここは1400円台から1500円台を維持することができれば、落ち着いた動きを見せると期待したい。

システム開発などのITサービス大手。株価2000円が視野に

同社の今2018年3月期第1四半期の営業利益は前年同期比15%増となった。コンセンサス予想に沿った内容とはいえ、一部の大型案件の期ズレ発生を考慮すれば、良好なスタートといえるだろう。中身を見ても、今後を担うクラウドサービスが増大するなど、相対的に高い増益率が続く兆候がある。

一方、株価は1900円が上値抵抗ラインとなって調整局面を迎えている。受注残高が減少傾向にある点が警戒された格好だが、会社側ではサービス提供事業へのシフトを目指しており、開発案件の受注を無理に拡大させていない点は留意すべきだろう。前期は不採算案件の発生もなく、6期連続でROE(自己資本利益率)を向上させた。

継続的な自社株買いや増配といった株主還元余地も高まっており、足元の調整局面は買い好機となる公算が大きい。今後は営業利益率8〜9%を目指す2021年3月期までの中期経営計画に向けて、株価の上昇余地も拡大するだろう。10年ぶりの2000円台突破を期待したい。

スマホ向けを中心に通信計測器を生産。海外での需要爆発に期待

今第1四半期決算発表で急落したアンリツのリバウンドを期待したい。同社は通信計測器の大手で、スマホの端末開発向けや基地局の通信インフラなどの計測事業が主力。

第1四半期は計測事業での顧客の設備投資抑制継続により営業赤字となったたが、下半期に5G(第5世代移動通信システム)関連の計測器需要が立ち上がるため、利益は下期に集中する見込み。

年末から今年3月期末までに5GNR(5Gの無線方式)の仕様が策定されるため、具体的なニュース材料が出てくれば思惑から買い先行の展開が期待できそうだ。

また、米国や中国のチップセットベンダーは、5G向け投資を控えていると観測されるため、同地域での取引実績のある同社は恩恵が大きいとみる。5G・IoT(モノのインターネット)関連は自動運転など成長余地が大きく、期を追うごとに業績回復を織り込む展開が予想される。

株価は急落後、下げ止まりの動きを見せており、反発となれば、1153円近辺までの上昇が意識されそうだ。

仮想デスクトップのアプリやOSを提供。業績は上方修正へ

同社は、仮想デスクトップビジネスを手がけている。仮想デスクトップとは、パソコン内に内蔵されているOS(基本ソフト)やアプリをインターネット上で集中管理し、インターネット環境さえ整っていれば、操作する端末を選ばず、いつでもどこでも利用者固有のデスクトップ環境が使用できる技術である。

仮に端末を紛失したり盗難に遭ったりした場合でも、端末にはデータは存在しないために、セキュリティー面での安全性が高い。企業がテレワークを導入し始めていることや、セキュリティー対策への関心が高まっていることから、「仮想デスクトップ」の需要が急速に増加している。

今1月期第1四半期決算では、営業利益の通期予想に対する進捗率が50%と高く、通期業績予想が上方修正される可能性がある。

株価は、2017年4月の上場以降、5月の高値から40%以上調整したものの、直近は上昇トレンドに転じている。8月末には上場来高値をつけるなど、今後も上昇に期待が持てるだろう。