ネットマネー 2017年11月号より一部を特別公開!

今月の注目点
幅広いタイプの毎月分配型投信がランクイン

投資信託は投資先や基準価額、純資産総額、騰落率など、項目が多数存在する。
そこで、このページでは多数ある投信の中から旬なテーマを選択して、ランキング形式で紹介していく。
今月は毎月分配型投信などの最新事情を探ってみよう。

教えてくれたのは、楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子さん
慶應義塾大学法学部卒業。国内銀行、リッパー・ジャパンを経て、2013年11月より現職。情報収集力と分析力は天下一品。

幅広いタイプの毎月分配型はリートや債券など幅広くランクイン

8月の世界の株式市場は、北朝鮮のミサイル発射に関連する地政学リスクが嫌気され、下落基調となりました。

こういったときに為替相場は、ディフェンシブな通貨として円買いが勢いを強めます。ドルが売られて円高基調が強まった結果、国内株式市場では日経平均株価が一時1万9200円台まで下落。良好な企業業績によって辛うじてプラス圏を維持したNYダウとS&P500種とは対照的に、日経平均株価は機関投資家が夏季休暇でいなかったこともあって、8月の1カ月間で1・4%下落しました。 

こうした中、年12回決算を行なう、「毎月分配型」の投資信託について、8月の月間純流入合計額が大きかった順に並べてみたところ、債券、株式、リート、バランスと、多岐にわたる資産タイプが名を連ねました。 

毎月分配型の投資信託は、ブラジルレアルをはじめとする新興国通貨の下落が重くのしかかり、ここ数年の間で運用成績の悪化に加えて、分配原資の確保も難しくなりました。運用資金を集めるために、身の丈以上の分配を行なうファンドについて、特に厳しい目が向けられるようになったことも相まって、資金流入にかつてほどの勢いは見られなくなっています。

分配金のチェックは「分配可能原資」で

ここで、分配金の出し方の仕組みについて改めてみておきましょう。 

毎月分配型ファンドの分配金は、月々の配当収入と売却益に加え、前期からの「繰越分配対象額」を足し合わせた「分配可能原資」から捻出され ています。 

分配可能原資は、月々の分配金の「ストック」であり、基準価額の中に蓄積されています。つまり、決算時に分配金を支払うとその分だけ基準価額は下がります。運用成績が振るわないにもかかわらず分配を継続してしまうと、基準価額は下落し続けます。分配金が順調に支払われているようでも、元本が目減りしている可能性があるので注意が必要です。 

なお、分配金のどの程度が運用収益によってまかなわれ、どの程度が繰越分配対象額から捻出されているかは、決算時に作成される運用報告書で確認することができます。 

分配の継続性について確認したい場合は、「当期分配金」と「当期の収益」のバランスを参考にするといいでしょう。 

最新のAIやロボを使って運用する新しいタイプも登場

主としてAI(人工知能)、ロボティクス、ビッグデータ関連の株式に投資を行なう投資信託(株式追加型のみ)を抽出し、8月の月間純流入合計額が大きかった順に次ページに並べてみたところ、「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」が233億円を集め、首位に立ちました。このファンドは、日本を含む世界のロボティクス関連企業に投資を行なう、いわゆるテーマ型ファンドです。 

AI、ロボ、ビッグデータ等の関連ファンドは、こうしたテーマ型と呼ばれるタイプのほか、最近ではAIやロボを運用手法の中に取り入れた新しいタイプもあります。

ビッグデータに基づいて、AIやロボがファンドマネジャーのために銘柄選定の「お手伝い」をするようなイメージで、アナリストがカバーしきれない銘柄の分析に活用されている点が特徴です。今回ランキングで10位に食い込んだ「GSグローバル・ビッグデータ投資戦略 B」は、アナリストレポートや決算発表議事録を投資判断に活用しています。こうしたファンドは、関連株式に投資を行なうテーマ型とは特性が異なります。必ず各ファンドの運用方針を確認したうえで投資を検討しましょう。

※120~122ページのデータはすべて2017年8月末現在。ETF(上場投資信託)とDC(確定拠出年金)・SMA(投資一任勘定)口座専用ファンド、またデリバティブ(金融派生商品)型を除く。販売手数料、信託報酬は税込み。データ提供:ISIDフェアネス、QUICKのデータをもとに楽天証券経済研究所が作成