ZUU online magazine2019年12月号(10月21日発売)からお届けします。

ファンダメンタルズ分析は重要だが、売買タイミングを判断するなら、やっぱりテクニカル分析。ここではテクニカル分析をこよなく愛すマネックス証券の福島理さんが、ビギナーにもわかりやすくテクニカル分析を伝授!

国内外のマーケット事情をはじめ、個人投資家の売買動向、指標分析など幅広く研究。国際テクニカルアナリスト連盟・国際テクニカルアナリスト(CFTe)。マネックス証券では企画広報部長兼マネックス・ユニバーシティ。
3つの条件が整えば、〝最強〝のシグナルが点滅

国内外の運用のプロたちにも支持され、個人投資家にも人気の高いテクニカル指標の「一目均衡表」について紹介します。相場は買い方と売り方の均衡が崩れたときに大きく動くので、常にどちらが優勢の立場にあるのかを知ることが重要。それをひと目で知ることができるのが一目均衡表なのです。
一目均衡表では、転換線、基準線、先行スパン(2本)、遅行スパンの5本線を使って、時間論、波動論、値幅観測論の3つを導き出します。複数の線が入り交じっているため複雑に見えますが、慣れればカンタン! ここでは最も有名な三役好転(三役逆転)について説明しましょう。三役好転では、3つの条件がそろうと非常に強い買いシグナル(売りシグナル)になります。
条件1●遅行線>ローソク足(遅行線<ローソク足)―遅行線(26日前に表示させた線)がローソク足を上回った場合を「好転」(買いシグナル)、逆に下回った場合を「逆転」(売りシグ ナル)と判断します。
条件2●転換線>基準線(転換線<基準線)―基準線が上向きの状態で、転換線が基準線を下から上へ抜けると買いシグナルの「好転」。逆に基準線が下向きの状態で転換線が基準線の上から下へ抜けると「逆転」といい、売りシグナルとなります。
条件3●ローソク足>雲(ローソク足<雲)―ローソク足が雲を下から上に突破した場合は上昇サインの「好転」、逆にローソク足が雲を上から下に突破した場合は下落サインの「逆転」となります。これらは相場の転換点として重要なポイントとなります。
なお、3つの条件のうち1つでも当てはまれば売買のシグナルとなりますが、3つがそろったときは最強です。

Q 5本の線はどのような計算で引かれた線なの?
A 計算式はそんなに難しくないのと、頭に入れておくと使い方のイメージも湧きやすいです!
基準線 = (当日を含めた過去26日間の最高値+最安値)÷2
先行スパン1 = {(転換値+基準値)÷2}を26日先行させて表示。
転換線 = (当日を含めた過去9日間の最高値+最安値)÷2
先行スパン2 = {当日を含めた過去52日間の最高値+最安値)÷2}を26日先行させて表示。
遅行スパン = 当日の終値を26日遅行させて表示。