新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって外国為替市場が大きく動いた3月。急激なドル安局面で資産を失った投資家がいる一方で、FX会社には新規の口座開設や休眠していた口座に関する問い合わせが殺到したという。

サラリーマン生活に終止符を打ち、FXの利益で悠々自適なセミリタイヤ生活を送っているFXブロガーのサトウカズオさんにFXの魅力と怖さを聞いた。

サトウカズオ
サトウカズオ
リーマンショック、トルコショックなど、さまざまな危機を乗り越えて、今ではサラリーマン生活に終止符を打ち、悠々自適のセミリタイヤ生活を送るFX投資家。ブログ「トルコリラとメキシコペソFXブログを運営。
Twitter:@tryjpyFX

リーマンショックで強制退場、アベノミクスでFX投資を復活

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(画像=Jazz Blues/stock.adobe.com)

――FXの世界に足を踏み入れたのはいつごろですか?

忘れもしません、あれは2008年のリーマンショックの年の7月ころでした。虎の子の300万円を元手にドル/円の通貨ペアでドル買いを仕掛けました。特に考えがあったわけではありませんが、初心者が投資するなら情報量も豊富な米ドルかなと。

金利の安い日本円を売って、金利の高い米ドルを買うことでスワップポイントも受け取れるのはオイシイと思ったんです。実際、多くのFX投資家が私と同じ方向のポジションを取っていたと思います。

――確か、米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したのは、2008年の9月でしたね。

はい。リーマンの破綻をきっかけに世界中の株式市場が大暴落し、外国為替市場では急激なドル高が進行したんです。8月に1ドル=110円台をつけていたドル/円が、その年の年末にかけて80円台まで売りたたかれました。証拠金を担保に目一杯の投資をしていた私のポジションは11月に強制ロスカットとなり、虎の子の300万円がきれいに溶けてしまいました。

当時30代前半のサラリーマンだった私にとって300万円は大金です。仕事にも身が入らず、何に対してもヤル気が起こりませんでした。私にとっての“黒歴史”のひとつですね(笑)。

――ということは、いったんマーケットから強制退場を突き付けられ、その後、復活したということですか?

その通りです。2回目のチャレンジは、アベノミクスで好景気となり、衆院解散・第三次安倍内閣発足前の2014年10月~11月、ドル/円が100円から120円まで上昇した時でした。ゲーム関連の本を探しに書店に行ったときに、投資関連のコーナーに目がとまったんです。そこでマネー雑誌を立ち読みすると、FXの自動売買で儲かっているという人のインタビューが載っていました。

過去、私が失敗したのは、いわゆる「裁量トレード」と呼ばれるもので、為替の先行きを自分の考えで予測するトレードです。「自動売買」というキーワードに「これだ!」と思ったのを覚えています。裁量トレードでは予想した方向とは逆に為替が動いても、「きっと戻るはず」「これは一時的な下げだ」と根拠のないシナリオを描いてしまいがちです。でも、これは単なる欲望や願望なんですよね。

自動売買では、あらかじめ設定した為替レートに従ってパソコンが自動的に売買を行ってくれますので、日中は忙しいサラリーマンでも効率よくトレードすることができるんです。自動売買は一定の範囲で動くレンジ相場に適しているのですが、実は為替相場の7割以上はレンジ内での推移となっているんです。

――2020年に入って、コロナショックが起こりました。いまだに収束には至っていませんが、この期間の運用成績はどうでしょうか?

2018年後半には、主流はカナダドル投資に切り替えたのですが、豪ドルのポジションはそのまま持っていました。自動売買だけで、昨年12月には約65万円、今年1月には100万円以上の利益が出ていました。

しかし、今年3月、コロナショックによって豪ドルが急落し、証拠金維持率が厳しくなっていったん自動売買を停止したんです。今では豪ドル/円はコロナショック前の水準に戻っていますので、そのまま持ち続けていれば大きな利益になっていたのですが……。その後、自動売買を再開し、5月は67万2085円、6月は68万653円の利益が出ています。

一般的に自動売買は設定したレンジの中で細かい売買を繰り返して利益を積み上げていくのですが、想定レンジ内であれば大暴落してもらったほうがおいしいのです。もちろんレート(値)は戻ってくれないと大惨事になりますが(笑)。

2018年のトルコショックでは、約1600万円を損切り

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(画像=Paopano/Shutterstock.com)

ちなみに、私の最大の“黒歴史”は2018年のトルコショックです。トルコリラは、確かに右肩下がりでしたが、スワップポイントが高く、当時は1年間で4円の下落分に相当するスワップポイントが得られました。結果的には、それ以上、下がったのですが、当時はジリジリとした下げであり、十分回収できると思っていました。安値の想定ラインを28円、24円と自分で考えていて、24円までは資金を追加して買い増ししていました。24円を下回ってからは、さらに資金を追加して防衛に努めました。

一応、12円までは耐えられる資金計画だったのですが、運命の8月10日のトルコショックの日。普段はチャートとか見ないのですが、たまたま確認してみると、大変な下落幅に。Twitter上では阿鼻叫喚・総悲観論であふれており、私も同一口座で運用している他通貨の防衛のために、トルコリラへの心が折れて泣く泣く損切りしました。約1600万円の損失が確定した瞬間です。

今にして思えば損切りしなかったほうが正解だったのですが、当時はあまりの下落幅に上手く考えがまとまらなかったですね。トルコリラ、最後まで信じ切ることができませんでした。

自動売買に向いている通貨ペアは、カナダドル/円

――リーマンショックだけではなく、トルコショックやコロナショックも経験したんですね。最近では、ドル/円などはあまり動きがありませんが、どんな通貨ペアを取引していますか?

カナダドル/円を取引しています。一言で言えば、この通貨ペアはレンジ相場を形成しやすく、それでいて安定している通貨だからです。カナダはG7の一員であり、政治・経済ともに安定している国です。原油など世界有数の資源国としても有名ですが、実はカナダのGDP(国内総生産)の7割を占める主力産業は小売業やサービス業などの三次産業で、資源価格の上下に左右されない経済構造を持っているなど、魅力的な国なんですよ。

そのほかでは、高金利通貨のメキシコペソ/円。メキシコは(トルコと違い)実質金利は大きくプラス、健全な財政、低いインフレ率、外国直接投資の増加、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)と言った、経済成長に有利な条件は揃っています。また、FX各社もスワップポイントの目玉にしているのか、政策金利の割にプラスのスワップを上乗せしており、おトク感があります。

――ところで、FX会社はどこを利用していますか?

FX自動売買では「トライオートFX」(インヴァスト証券)をメインで利用しています。特に自動売買セレクトがよくできていて、用意されているストラテジー(自動売買プログラム)の中から過去の期間収益率などを見て選ぶだけで誰でも自動売買をスタートできます。

期間収益率のほかにも期間総合損益や推奨証拠金も表示されるので初心者の方にも分かりやすく資金管理もラクかと思います。もちろん、自分自身でオリジナルのストラテジーを組むこともできます。もっとこうしたほうがよいと思っている中上級者や、有名ブロガーの手法をマネしたいと思っている人にも対応でき、ほかのリピート系の自動売買でできることはトライオートFXで全部できる、と言っても過言ではありません。

それ以外では、マネーパートナーズやみんなのFX、LIGHT FXといったFX会社の自動売買も活用しています。

――最後にFX初心者にアドバイスをお願いします。

儲けようと欲張らずに、副収入やお小遣い程度と考えて投資されるほうがいいと思います。「勝つことよりも負けないことが大切」です。月3万円の利益でも今までと少し違う生活ができますし、月5万~6万円の副収入があれば、違いが実感できると思います。

現在、新型コロナウイルスによるリスク回避の動きが見られる一方で、各国の金融緩和により、お金が溢れ、リスクオンも同時に進んでいます。正直どちらに相場が続くのかわかりません。その前にロスカットにならないような厳密な資金管理が重要です。低いレバレッジ・高い証拠金維持率を心がけましょう。