ピタッ1 今月の「買収&合併予想」

食肉関連の再編スタート!三菱食品、プリマ、丸大、滝沢が動く可能性大

食肉加工2位の伊藤ハムと7位の米久が2016年4月の経営統合を決めた。成熟産業と思われがちな食品業界だが、拡大志向が鮮明になりつつある。伊藤ハムと米久の統合の背景には、三菱商事が存在する。三菱商事は伊藤ハム株の20%と米久株の62%を共に筆頭株主として保有。両社の業務提携の仲立ちをしたのも三菱商事とみられる。今回の経営統合も三菱商事の意向が強く働いているようだ。

注目すべきは統合2社の業績だろう。伊藤ハムも米久も前期の最終利益が過去最高を更新しており、余裕があるのにあえて経営統合という難題に挑むことにした。

日本では今後、少子高齢化や人口減少で、食品市場の拡大は期待しにくい。売り上げを伸ばすには、他社のシェアを奪うか、海外に打って出るかの二者択一しかないのが現状である。しかも、消費税率が10%に引き上げられる2017年4月以降、個人消費が再び冷え込む公算が大きい。とすれば、体力のあるうちに策を講じる必要があるのは伊藤ハムと米久に限ったことではない。

次の再編候補と目されるのが三菱食品。旧・菱食を母体とする三菱商事の子会社で、食品卸売業界ではトップシェアを誇る。三菱商事グループ全体で見れば、食肉部門だけを別会社にしておく理由は乏しく、三菱食品が伊藤ハム・米久をのみ込む可能性を視野に入れておきたい。

食肉業界では、プリマハムと丸大食品、滝沢ハムの3社も再編候補と目されて久しい。3社ともに伊藤忠商事の傘下にあり、特にプリマハムと滝沢ハムで1位、 2位の大株主だ。

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三菱系に三菱食品があるように、伊藤忠グループには食品卸売り大手の伊藤忠食品があり、プリマハムなどとの関係強化も期待できる。TPP(環太平洋経済連携協定)の加入後、食肉ビジネスは商社が主導権を握るといわれることも統合観測に真実味を与えている。食品業界ではこのほか、同根の森永乳業と森永製菓、親子上場の三菱食品と日本食品化工、提携関係にある不二製油グループ本社とJ-オイルミルズなど統合候補は多い。(植草まさし)

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ピタッ2  今月の「株価も伸びる!」

この春、北陸新幹線・金沢駅の誕生により北陸関連株が物色された。

その記憶も新しい中、新たに「福井関連銘柄」が脚光を浴びようとしている。ポイントは北陸新幹線の金沢から福井までの延伸。与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会は8月、2022年度に延伸を計画していた北陸新幹線の「金沢―福井」間の開業を2年前倒し、2020年度開業が可能との結論をまとめた。整備新幹線計画では長野―金沢間が開業されたが、福井、大阪につながるルートは先送りとなっていた。ここに来て、地方創生の政策支援もあり、北陸の中で取り残され て いた福井が注目されるわけだ。

福井県には空港こそあるものの、石川県の小松空港に需要を奪われ、定期便がない。福井県にとって新幹線駅は〝悲願〝なのである。ミシュランの旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』では、福井県の「永平寺」が6月発売の改訂版で新規掲載されたほか、「福井県立恐竜博物館」「芦原温泉」などの観光資源があり、北陸新幹線が福井まで延伸すれば、地域活性化の効果も大きい。

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福井県には地場証券が2社(三津井証券、益茂〈ますも〉証券)もある。福井延伸の前倒しにより、福井県を拠点に主力事業を展開する関連銘柄が注目される。なかでも三谷商事はセメントや生コンなどのインフラ資材を手がけ、工事の進捗で直接的なメリットを享受できる。8月には第2四半期業績予想を増額修正している。現在は東証2部銘柄だが、2016年は会社設立70周年なので1部指定への意欲もありそう。今回の福井への延伸ルートに石川県白山市・小松市も含まれることが予想されるが、白山市には米国アップルが投資資金を負担する新型液晶工場を建設中だ(来夏に稼働)。(大庭貴明)

ピタッ3 今月の「市場拡大!」

改正派遣法成立でアウトソーシングに脚光。連続成長の優等生!

改正派遣法が成立し、人材ビジネスの拡大が予想される。注目は人材派遣の中堅、アウトソーシング。繁忙度に応じて熟練技術者が事業所間を動くPEO (習熟作業者派遣組織)と呼ばれる形態を採用し、トヨタグループなどの契約企業に支持され、急成長している。

PEOは契約企業のコスト管理に役立つほか、派遣労働者側には閑散期も雇用が継続されるメリットがある。

今期も最高益が予想され、非正規雇用の浸透で連続成長が見込まれる。

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豪州の人材サービス会社の買収など成長投資も怠らず、アナリストの評判も上々だ。前期売上高は600億円に満たないが、IFRS(国際会計基準)を導入するなどコーポレートガバナンス(企業統治)に関する体制は大手企業並み。また、外国人持ち株比率は3割超と、この規模の企業では異例の高さである。(伊地知慶介)

株業界の番猫・みけこさんの兜町キャッツアイ

第90回 縁起の悪い株安レポート

黒猫は、西洋では縁起が悪いらしいにゃ。ハロウィーンのある毎年10月には猫の虐待が増えるそうだし、日本に生まれてよかったにゃ~。

日本では、猫は幸運をイメージさせる動物。あたひと同じミケの招き猫は商売繁盛の定番グッズだし。あと、夜でもよく見えるから、先が見通せる能力にあやかりたい賭博師なんかが猫を大事にしたんだって。

先が見えないと縁起を担ぎたくなるのは証券市場の人たちも同じ。「下がる」を嫌って「調整する」とか「押す」とかと言うのも一種の縁起担ぎかにゃ。株安を言葉に出すと本当に株価が下がってしまいそうだし、証券マンのテンションも下がる。

そんな兜町で、某欧州系証券のレポートが話題になったの。その名も「『失われ続けて25周年目』へ、ネガティブな試算」。下げレポートを嫌う証券市場では、こんなショッキングなレポートはオスの三毛猫並みにすごく珍しい。

デフレ脱却が失敗するような最悪の事態を想定した場合に、TOPIX(東証株価指数)が500ポイントを割り込むって内容なんだにゃ。猫の手で電卓を叩くと、日経平均換算で6000円台。レポートには「崩壊を懸念する必要はそれほど大きくない」って書いてあるけど、想像するとやっぱり怖いにゃあ。

ピタッ4  今月の「地銀のウワサ」

トモ ニHDが大正銀行を吸収!金融庁の大方針 ・ 地銀再編の次は…

徳島銀行と香川銀行を母体とするトモニホールディングスは、大阪府が地盤の大正銀行(非上場)を来年4月に事実上吸収する。トモニHDの遠山誠司社長は、今後の他行との提携・再編について「地域銀行再編の受け皿になるようなモデルをつくりたいという見解は変わらない」と前向きな姿勢を示した。

地銀の再編は金融庁の大方針であり、今後も統合劇が相次ぐのは確実だろう。兵庫県のみなと銀行や、大正銀行と同じく三菱東京UFJ銀行が出資する中京銀行も、再編の有力候補として株式市場で名前が何度となく出ている。(森田陽二郎)

河合ウオッチャー達憲のそのとき株は動いた!

●かわい・たつのり
カブドットコム証券投資ストラテジスト。毎週火曜のネットセミナーが大人気。テレビやラジオにレギュラー多数。大阪国際大学で講師も務める。最新刊『株の五輪書』(マガジンハウス)。

イオニアの株価は9月8日の230円台から動意づき、9月18日までのわずか9営業日で23%高を示した。

材料はこのところ株式市場でも投資テーマとして注目されている「自動運転」。同社がドイツのヒアと自動運転車に使う高精度地図について業務協力することで基本合意がなされたことがきっかけだ。同じ時期にクラリオン(6796)もマーケットに逆行高しており、自動運転という投資テーマの強さがまさに手放しで表れた格好である。

今回のヒアとの基本合意は、パイオニアが開発した、自動車の周囲を高精度で3次元的に把握できる計測装置と、ヒアの持つ欧米などの地図情報を組み合わせるというもの。もちろん業績への寄与度はまだまだ未知数であり、“理想買い”のステージだが、魅力は大きいといえるだろう。

ファンダメンタルズ面を見ると、2016年3月期は売上高が減収見通しながら、経常利益は黒字転換を見込んでいる。ただ、最終利益はギリギリ黒字維持の状態なので、決して業績面は芳しくない状態。低位株が跳ねるときの爆発力に期待したいところだ。目標株価は昨年高値の352円奪取を想定している。

冒頭で述べた同業のクラリオンも気になる。同社はパイオニアと比べ、業績は好調。税引き前利益(IFRS)は前期34%増、今期は63%増の100億円を見込んでいる。2004年3月期の 経常利益81億円(過去最高)を12期ぶりに更新する予想だ。併せて注目したい。

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ピタッ5 今月の「ホット ・ テーマ」

「ウェブで手紙」 の需要は?郵政上場でラストチャンスのデジタルポスト関連

既に本誌でも何度となく特集してきた、11月4日の日本郵政グループ上場。これを手がかりにジワジワと人気化してきたテーマが「デジタルポスト関連」だ。

デジタルポストは2011年に設立された会社が東京都港区に存在する。一般ユーザー向けに、インターネット上で作成された手紙を印刷・郵送するウェブサービスを展開。また、企業パートナー向けには印刷・郵送に関するクラウド事業を展開している。

大株主はOakキャピタル、ソフトフロント、フライトホールディングス、東京リスマチック(日本創発グループ)など。IT基盤・セキュリティー分野では日立システムズ、クラウド分野でニフティが参画している。現状では、デジタルポストの知名度はいま一つ。成長性も今のところ未知数だが、日本郵政グループとの事業連帯が進めば利益の伸びに期待できる。現状では年賀状関連の需要が柱だが、今後はウエディング等の慶事、誕生日、法人の各種発送物の需要などを取り込むことができそうだ。

今年最大の株式市場のイベントでもある日本郵政グループの株式上場。

すでにデジタルポスト関連株は折に触れて物色人気を高めてきたが、最もホットなタイミングに入ってきた。(竹中博文)

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今月の噴火目前株●3連発!

1 TOWA(東証1部・6315)

世界同時リスクオフ局面でソニー関連株は強く売られたが、日本企業の内情は相対的に堅調だ。また、台湾のTSMCが「iPhone7」対応に向けた投資に早くも動いている。台湾向け比率が高い 同社の場合、他の銘柄を売ってでも安ければ買いたい機関投資家が多いとも。

2 KNT-CT HD(東証1部・9726)

自然災害の影響を東日本、九州が受けたことで、国内の旅行需要は近畿圏に流れているという。シルバーウイークなどの需要期における伸びは濃厚。来年5月には伊勢志摩サミットも予定されており、注目されるエリアで内需を獲得する中小型の低位株として同社の存在感は高まるとの声。

3 川西倉庫 (東証2部・9322)

今期導入の株主優待(100株以上で半期ごとにクオカード1000円分)は、利回り換算すると2%以上。優待新設で小口株主数の増加を目指しているのは確実で、東証1部昇格も視野に? いまだPBR 0 ・ 4倍台のバリュ ー性抜群な東証2部株。

ピタッ6 今月の「世界戦」

原油価格の下落で塩化ビニール の採算改善。信越、 東ソーが中国に圧勝!

基礎化学品の塩化ビニールは、原油価格の急落で日本メーカーの採算が改善。製法の違う中国メーカーは採算悪化が進み、信越化学や東ソーは競争力が急速に高まっている。日本の塩ビ産業では、量産が始まった1950年代、石灰石を利用したカーバイド法と呼ばれる製法が主流だった。しかし、この製法はコスト低下が難しいとして、当時の通商産業省の指導で、石油を使うエチレン法へ一斉に転換した。

今年は石油安に連動して塩ビ原料となるエチレン価格も低下し、エチレンメーカーの利幅が厚みを増してきた。技術的に成熟した塩ビ産業は量産効果がモノを言う。今後は量産によるコスト低下が受注増加を呼ぶ好循環に入るだろう。

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一方、中国では21世紀に入ってからの新設プラントも含めてカーバイド法が主流だが、大量の電力を使うため、日本や台湾などのエチレン法メーカーに比べてコストを下げにくい。さらに、環境問題への意識の高まりから、規制強化が打ち出されるとの観測も出ている。もともと慢性的な設備過剰状態にあったため、操業停止に追い込まれる業者が出てくるかもしれない。中国メーカーの脱落は世界的な値上げにもつながるだろう。(木島 隆)

ピタッ7 今月の「売れ行き」

アスクルの化粧品が人気!?法人も個人も好調で、自社株買いの次は増配か

アスクルの法人契約が順調に拡大している。個人を対象とした取扱高も伸び、増益基調が一段と強まっている。オフィス用品のネット販売から、オフィスで働く人のネット通販業者へと業態が変わりつつある。

利益率の高い化粧品の販売拡大が予想されるほか、ミネラルウォーターはプライベートブランド化により利益率が一段と高まる見通し。今期は物流センターの整備などの投資負担が利益を一時的に圧迫する。しかし、本業が好調なので中長期的には競争力強化のメリットのほうが断然大きいだろう。筆頭株主のヤフーの決済システムを利用しており、スマホ経由の注文も伸びそうだ。

今期は自社株買いも実施し、株主重視の姿勢を打ち出した。ただ、浮動株式数が少ないため自社株買いには制約があり、今後の利益還元は増配で実施するとみられる。(東 亮)

ピタッ8 今月の「黒船到来」

ネットテレビ時代が本格化!和製ネットフリックスはどこに!?

米国ではネットテレビの普及が加速し、タイム・ワーナーなど「従来型ケーブルメディア株売り」に対し、ネットフリックスなど「ネットテレビ株買い」の様相を強めている。

その米国最大手のネットフリックスがついに日本上陸。9月に、月額650円という米国より約3割安いプランでサービスを開始する。放送とネットが融合する時代の幕開けといえるだろう。

この分野で先行する日本企業はUNEXT。〝日本版ネットフリッ-クス〝と呼べる存在で、独立系運用会社のレオス・キャピタルワークスが早くから買い集めていた銘柄だ。

また、CD・DVDレンタル大手のゲオホールディングスも、圧倒的な低価格で来年2月に動画配信サービスを始める。月額590円で見放題。黒船ネットフリックスに立ち向かう和製ネットテレビ株の時代はこれからだ!(真行寺知也)

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トップの生セリフBUY↑orSEL↓

3人による経営体制で次世代への道筋を示す。モノを生み出すことを支えるのが役割

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2015年9月14日
任天堂代表取締役社長
君島達己氏

任天堂の次期社長に決まった君島達己常務(当時) は2人の専務とともに記者会見に臨んだ。君島氏は任天堂の米国法人で販売戦略を担当し、海外事業に明るい。会見では「(専務2人を含めた)3人による経営体制」を強調し、「新しいモノを生み出すことを支えるのが役目だ」と述べた。開発部門の自主性を尊重する立場を示し、自らはグローバルで売る体制づくりに注力する姿勢を示したようだが、リーダーシップの点で迫力不足の感もあった。

ゲオチャンネルを来年2月スタート。より多くの客に身近な映像サービス

2015年9月15日
ゲオホールディングス
遠藤結蔵氏

動画配信サービスへの新規参入が相次いでいる。ゲオホールディングスは来年2月、「ゲオチャンネル」を開設。月590円で、新作以外の8万タイトルが見放題という。

有人店舗や宅配を通じたコンテンツ供給に加え、ネット配信で視聴者獲得を狙う。遠藤結蔵社長は「多くの客に身近なエンターテインメントを届ける」と意欲的だった。