ギリシャによるIMFへの支払いが滞り、世界の金融マーケットが混乱しています。この問題は、世界中の投資家をいつまで悩ませるのでしょうか? ギリシャ問題について考えてみました。

今月の知りたがりテーマ ギリシャ問題で、世界の金融市場はどうなる?

崔 真淑
崔 真淑 Masumi Sai
Good News and Companies 代表
神戸大学経済学部卒業後、大和証券SMBC金融証券研究所(現・大和証券)に株式アナリストとして入社。入社1年未満で、当時最年少女性アナリストとしてNHKなど主要メディアで株式解説者に抜擢される。債券トレーダーを経験後、2012年に独立。現在は、日経CNBC経済解説部のコメンテーターとしても活躍している

ギリシャのIMF(国際通貨基金)に対する債務15億ユーロがデフォルト(債務不履行)するかしないかに 右往左往している中で、この原稿を書いています。

投資家の大半が、ギリシャと債権団側のIMFおよびECB(欧州中央銀行)との間で返済計画がまとまり、デフォルトはないとみていただけに、世界中のマーケットが混乱しています。このギリシャ 問題は、今後どのような結末を迎えるのでしょうか?

まず、仮に債務不履行が決定した場合は、①EFSF(欧州金融安定ファシリティー)がギリシャに前倒し返済を求めるか、②ECBが支援を継続するかどうか、③もし支援を継続しない場合は世界のマーケットにどう影響するか、を考える必要があります。

まず①のEFSFとは、欧州の金融市場を安定させるために金融危機に陥っている国に貸し付けを行なうファンドです。出資者はユーロ加盟国ですから、もしものときの損失はこれらの国々が被ることになります。IMFが債務不履行とみなし、EFSFがギリシャに前倒し返済を要求するのか、それともコツコツ返 済してもらうためにも返済猶予を設けるのかがポイントです。後者ならば、マーケットへの影響は軽微でしょう。

次に②ですが、ギリシャの民間銀行は預金者の現金引き出しに応じられないぐらい、流動性が枯渇しています。この状況が続けば、円滑な経済活動ができず、ギリシャ経済はさらに失速してしまいます。これまではECBが、ギリシャ民間銀行が保有するギリシャ国債を担保に資金を貸し付けていました。しかし、債務不履行が決定したら、ギリシャ国債はマーケットから信頼を失い、価値が目減りします。結果、ギリシャ民間銀行の資産は大きく毀損します。

そんな、ギリシャ国債を担保にECBが資金を提供し続けてくれるでしょうか?さらに、7月、8月にはECBが保有している国債の元利払い日が多く控えています。

最後に③ですが、ギリシャが2015年に返済義務のある金額は日本の年間国債発行額の約2%と、世界のマーケットから考えたら非常に少額なことです。加えて、国際金融市場からギリシャは隔離されています。しばらくは、ギリシャ問題が騒がれるかもしれませんが、リーマン・ショックのようなことにはならないと、私は考えています。

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